月経カップを使うことのメリットのひとつに『経血を見ることで、自分の健康状態を知ることができる』というのがあります。
タンポンや生理用ナプキンは経血を吸収してしまうため、経血の状態を確認するのにはあまり向いていません。しかし月経カップを使っていると、カップの中にたまった経血を捨てる際に血液の色や質感、経血量などをチェックしやすくなります。
今回は、健康状態を示すバロメーターになるといわれている経血についてです。
経血の色と健康状態
経血の色や質感は酸化による変化をはじめ、ホルモンバランスや健康状態、食生活によって変わるといわれています。
また、生理中に子宮から排出される子宮内膜や経血は、どれくらいの時間が経ったかによって色が変わってきます。例えば子宮に長くとどまったものは酸化が進み、より濃い暗い色になりますが、子宮内に長くとどまらず出てきたものは鮮やかな赤色、など。
なにか変化があったときに気づきやすくなるため、普段のあなたの経血の状態を把握しておくことは健康管理として役に立つといえるでしょう。
また、何か気になることがあって病院を受診する際など、普段はどういった状態か・どういう変化がみられるかを医師に正しく伝えることができるのも心強いポイントです。

黒
黒っぽい経血は、生理の始まりの時期・終わりの時期に多く見られます。
この時期は経血量が少ないく経血が体外へ排出されるのに時間がかかるため、子宮に長くとどまった経血は酸化が進み、まずは茶色・もしくは濃い赤色に代わり、その後黒っぽくなっていきます。
生理の周期が安定していない場合にも、黒っぽい経血がみられることがあります。
茶色・深い赤
茶色や深い赤色の経血も生理の始まりの時期と終わりに時期によく見られますが、黒っぽい経血よりは酸化が進んでいないもので、場合によってさまざまな暗さの色がみられます。
鮮やかな赤
鮮やかな赤色の経血は、スムーズに経血が排出されてきたことを意味します。
特に生理期間中期は真っ赤な出血で、後期に向かって黒っぽい色になっていきます。
人によっては、生理期間を通して鮮やかな色の経血が出てくることもあります。
ピンク
ピンクがかった経血は、経血と子宮頸管粘液(子宮頸管中にある粘液)が混じり、経血の色が薄まっている状態が考えられます。
ホルモンに働きかけるピルを服用している場合は、エストロゲン値が低下することで生理が軽くなり、経血がピンクがかることもあります。
そのほかに考えられる原因には下記のものがあります。
- 著しい減量
- 不健康な食生活
- 貧血症
オレンジ
オレンジがかった経血は、 細菌性膣炎またはトリコモナス症によって引き起こされている可能性があります。
オレンジがかった経血が必ずしも感染症によって引き起こされているわけではありませんが、膣のかゆみ、不快感やおりものに不快なにおいがある場合など、普段見られない症状がある場合は産婦人科を受診した方がいいかもしれません。
細菌性膣炎:膣の自浄作用の低下により膣内の常在菌と悪玉菌のバランスが崩れ、引き起こされる症状。
灰色
灰色がかった経血は細菌性の膣炎にかかっている可能性が高いです。
- 膣内や膣の周りにかゆみがある
- 魚臭いにおいがする
- 排尿時に痛みがある
などの症状がみられる場合は、病院に行くことをおすすめします。
食事や生活習慣、年齢や環境によって経血の色や質感が変化するのは普通のことです。
しかしながら、いつもとはあまりに違う変化がみられる時や、悪臭・かゆみなどがみられる場合は身体からのSOSかもしれません。すぐに産婦人科を受診するようにしましょう。
経血量について
一般的に、一回の生理の間に150ml以上の出血がある場合は過多月経とされます。
過多月経とは一回の出血量が多い症状のことで、貧血の症状がみられることが多いです。
自覚症状がないため本人が異常に慣れてしまっているケースも多く、見逃されていることも少なくないようです。
- 多い日用のナプキンが1時間ももたない
- 経血の中にレバーのような血のかたまりがたくさん出る
- 量の多い期間が8日以上続く
などの状態がが2~3サイクル以上続く場合は、子宮の病気につながっている可能性もあるため、はやめに産婦人科を受診するようにしましょう。
*1サイクル中(一回の生理期間)の出血量は、一般的に20~140ml程度とされています。
まとめ
以前は生理用ナプキンやタンポンを使用しており、経血は生理用品に吸収されてしまっていたために自分の経血を観察することはありませんでした。
しかし月経カップを使い始めたことで、生理中は頻繁に自分の経血を目にするようになり、少し自分の健康に対する意識が変わりつつあります。
今まで気にも留めていなかった経血の状態や変化など、自分の健康状態の判断基準となるものにより興味を持つようになり、今までただただ『面倒だし、つらい』としか思っていなかった生理についても、いまさらながら『人間の身体ってすごいな、もっと大事にしなければ』と思うようになりました。
そんなこんなで、月経カップを使用する際は嫌でも経血を見る機会があります。
これをデメリットととらえるか、メリットと捉えて健康管理に役立てるかはあなた次第!
この記事が少しでもあなたのお役に立っていたら嬉しいです。
それでは、ハッピーな生理ライフを♪
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参照記事
What does the color of period blood mean?
Bacterial vaginosis: Symptoms, treatments, causes, and prevention
日本産科婦人科学会
過多月経とは?
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