5月5日は端午(たんご)の節句、こどもの日、あるいは『菖蒲の節句』として知られています。
菖蒲は古くから邪気を払う効果があるとされており、この時期は菖蒲飾りをつくって軒下に飾ったり、菖蒲湯につかったり、菖蒲酒を飲んだりといろんなシーンで菖蒲が大活躍する日でもあります。

近所のスーパーにて陳列されていた菖蒲の葉が目に留まったので、前より気になっていた菖蒲酒をつくってみることにしました。
端午(たんご)の節句

端午の節句は別名こどもの日として知られる行事です。
元々は中国の風習で、五節句のひとつとして奈良時代に日本に伝来しました。
『端午』の『端』は『はじめ』という意味で、『端午』とは5月の最初の馬の日のこと。
更に『午』は『ご(五)』とも読めることから、5月5日に端午の節句を祝うことが定着しました。
中国では邪気を払う効果があるとして重宝された菖蒲は、日本では江戸時代に入ってから『尚武』と『菖蒲』をかけて飾られるようになったと言われています。
端午の節句に飲むお酒

端午の節句にまつわるアイテムとしては鯉のぼりや柏餅が有名ですが、個人的に一番気になっていたのは端午の節句に無病息災を願って飲まれるという『菖蒲酒』。
今回は菖蒲の葉を使って自宅で菖蒲酒をつくってみました。
菖蒲の効能

身体に悪い気がつくのを防ぐという意味から使われる菖蒲は薬草で、紫の花を咲かせるアヤメ科の花菖蒲ではなくショウブ科の菖蒲のことを指します。
根の部分は乾燥させることでリラックス効果や血行促進、筋肉痛などの効果を発揮する生薬になります。
菖蒲酒のつくり方

常温のお酒に浸す方法
- 日本酒1合に対し菖蒲の葉1枚を入れて、30分から1時間ほど置く
入手が可能ならば生薬である乾燥させた生姜の根を使用するのがいいそう。
しかしながら、今回は近所のスーパーで簡単に手に入る菖蒲の葉を使うことにしました。
注意点は1時間以上お酒につけたままにしないこと。
菖蒲には特有の爽やかなハーブのような香りがあり、時間が経つにつれてその香りが日本酒に濃くつくため、それが日本酒の良さを消してしまうのだそうです。
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燗酒をつくる方法
- 日本酒1合に対し菖蒲の葉1枚を入れて、40度程度で湯煎する
温度が高くなると菖蒲の苦みやえぐみが出てしまうため、お湯の温度を上げ過ぎないよう気を付けるようにします。
高い温度で飲みたい場合は、菖蒲を取り出してからお酒を熱すると良いそうです。
本日のお酒:朝日酒造『久保田 萬寿 純米大吟醸』

今回は菖蒲酒のつくり方の参考にした朝日酒造のウェブサイトでおすすめされていた『久保田 萬寿 純米大吟醸』がたまたま家にあった(!)のでこちらを使用。
常温のお酒に30分菖蒲をつけ、冷やのまま飲んでみました。
しっとりとやわらかい味わいのお酒に、菖蒲独特のハーブのような爽やかな風味がプラスされて清々しい味わいの美味しいお酒に。
味の雰囲気はがらりと変わったものの、香りは菖蒲を入れる前とほとんど変わらないようでした。
菖蒲を漬け込むことでお酒にスパイシーな風味が加わるので、他のお酒でその変化を楽しんでみるのも面白そうだと思いました。
まとめ

今回は端午の節句に因んで、菖蒲を日本酒に漬け込む『菖蒲酒』をつくり、無病息災をお祈りしてみました。
今まで意識的に菖蒲を探してみたことはなかったのですが、この時期だけは多くのスーパーなどで菖蒲の取り扱いがあるようで簡単に入手できたのがよかったです。
菖蒲の香りが強いのは根の部分なのだそうで、意識的にお酒に香りをつけたい場合は根をよく洗って薄く切り、お酒に漬け込むのがいいそう。
来年はこちらの方法で菖蒲酒をつくってみたいと思います。(覚えてるかな)
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。