先の週末はあわただしく滋賀を訪れ、その後東京に戻ってきてからはおとなしく次の旅の準備をしていました。
行き先は、今まで行ったことがなかった新潟県・越後湯沢です。
新潟といえば、日本で最も酒蔵の数が多い県としても有名ですよね。
日本酒が好きな私にとっては絶対に行ってみたい場所だったのです。
今回の旅は2泊3日と長くはないですが、温泉につかって、美味しいご飯を食べてゆっくり日本酒を飲む『大人の旅』をやってきました!
いつも詰め込みすぎやから、今回はまったりめで!
白瀧酒造
安政2年(1855年)創業の白瀧酒造は『上善如水』で大変有名な新潟県魚沼地方にある酒蔵です。

冬の間豪雪地帯である魚沼地方に降り積もった雪は、春になると雪解け水となって地下にしみ込んでいきます。
なんと、この雪解け水が地下水となるのには約50年もの年月がかかるのだとか。
白瀧酒造の全てのお酒の仕込みには、この清冽でミネラル分の少ない軟水が使われています。
ミネラル分の少ない軟水を使用すると日本酒を醸す際に醗酵がゆっくり進むため、きめ細かいお酒が出来上がるのだそうです。
白瀧酒造
新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢2640番地
白瀧酒造の『上善如水』
白瀧酒造といえば、『上善如水』。
魚沼の豊かな雪解け水のように軽やかでわらかく、ほんのりと甘みのある、そんな『水』のような日本酒です。
日本酒だけど日本酒らしくないような、本当に水のようにやわらかくすっきりとしたお酒でとても人気があるため、口にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

上善如水(じょうぜんみずのごとし)とは古代中国の老子の言葉。
『最高の善は水のようなものである』とは、他と争わず、器に従ってかたちを変え、常に低いところにとどまるという水の性質を最高の善としてたとえた言葉です。
白瀧酒造の酒蔵見学

白瀧酒造では、平日限定で完全予約制の酒蔵見学を実施しています。
蔵人がエスコートしてくださり、実際に作業が行われている蔵の中を案内してもらえるという貴重な体験ができるんです。
開催 | 平日1日1回 10:00 受付開始 |
所要時間 | 約45分 |
人数 | 1回6名まで |
備考 | 約2か月先の予約までオンラインのみ予約可 |
詳しくは、公式ウェブサイトをご確認ください。
→ 【白瀧酒造】酒蔵見学・ショールーム (shirataki-sake-brewery.com)
当日の様子
試飲する気満々だったので、この日は徒歩で白瀧酒造に向かいました。
JR越後湯沢駅から歩いて約5分という立地の良さには驚きです!

残念ながら、こちらの蔵見学では写真撮影はNGとのこと。
字ばかりで申し訳ないですが、宜しくお願いします!
- 10:00受付開始
受付で名前を確認した後は携帯電話や財布などの貴重品をコインロッカーに預け、荷物置き場に荷物を置きます。
その後、渡された白衣やヘアネット・グローブなどを着用して案内を待ちます。
この日の見学者数は定員MAXの6名でした。 - 10:15酒蔵見学開始
蔵人の桐生さんという方が本日の案内人で、爽やか&気さくな感じの方でした。
聞いたことをしっかり覚えておくべく、真剣にお話を聞いてきました。白瀧酒造には平成蔵と昭和蔵があり、この日は主に平成蔵の見学案内をしていただきました。
- まずは平成蔵へ
白瀧酒造の敷地に入ってまず最初に気づいたことは、独特の甘い香り。
甘酒のようなお酒の甘い香りがふわーっと漂っており、すごく幸せな気持ちになります。蔵に入ってすぐにお借りした長靴に履き替えました。
蔵内の床は濡れており滑りやすいところも多いため、注意が必要なのだそうです。 - 洗米室
白瀧酒造ではお米は委託精米しているそう。
900㎏単位でお米の入った袋が積んであり、酒米の銘柄や精米歩合によって仕訳けられていました。この部屋では、酒蔵に届けられたお米に付いた糠などを洗い流し、次の工程に備えていきます。
- 浸漬室
洗米室で洗われたお米は、蒸し器に入る前に浸漬室にて水に浸けられます。
使うお米の種類だけでなく、気温などによっても浸漬時間は変わるそう。 - 蒸米室
浸漬室で十分に水を吸ったお米は、蒸米式で調理されます。
お米を炊いたときの美味しい香りが部屋いっぱいに広がり、お腹が空いてしましました。炊き立ての酒米は食用米と比べるとやや硬め。
しかし味わいは甘味があって美味しく、かたいご飯が好きな人であれば普通においしく食べられそうな感じでした。 - 仕込室
こちらでは床下に備え付けられたタンクに醪が入っています。
幸運なことに、この日は三段仕込みの最初の工程である『添』の作業が行われていました。
蒸したばかりのお米がどんどんタンクに投入されていく様子が見られ、面白かったです。糖化と発酵が行われている仕込中のタンクの中には、ほとんど酸素がないのだそう。
頭を近づけすぎて酸素欠乏症になってしまうことがあるらしいので、覗き込みたい気持ちを押さえつつ見学します。 - 貯蔵タンク
仕込室からベランダのようなところに出ると…外には大きなタンクがいくつも並んでいました。
なんと、白瀧酒造の貯蔵タンクは屋外に保管されているんです。
雪の季節が来る前にはスタッフ用の通路の上に簡易の雪除けを掛けるそう。
(大変な作業なんだそうです)大雪の中にいくつもの貯蔵タンクが佇んでいる様子も見てみたかったなぁ。
- 上槽室
発酵期間が終わった醪は上槽室にて圧搾機にかけられ、お酒と酒粕に分けられます。
大きなヤブタ式の圧搾機が3台置いてあり、そのうちのひとつが稼働中でした。
今までなぜ酒粕は板状なのか…と思っていたのですが、やっとなぜその形に仕上がってくるのかイメージを掴むことができました。次々と流れてくるお酒のおいしそうな香り。。
この時点ではまだ濾過されていないので、まだ沈殿物のようなものが見えました。 - 濾過室
熟成を終えたお酒は、こちらで濾過されていきます。
確かに、先ほど見たお酒と比べるときれいに透き通っていて『いかにもお店でみるお酒』って感じになっていました。 - 瓶詰室
瓶詰めの機械を使って、お酒をボトルに詰め込んでいく部屋です。
機械の大きさによって余ってしまうお酒の量が違うらしく、小さい機械を使用するとそれだけお酒のロスを減らせるそう。余ってしまったお酒は味を確かめながらブレンドして、無駄の内容再利用しているんだとか。
基本的にお酒は下のグレードのお酒にブレンドすることが多いそうで、その場合は顧客的にはお得なお酒に仕上がるんですって。ちなみに、白瀧酒造の日本酒のボトルは回収ののち洗って再利用、という事はしていないのだそうです。
全て新しいボトルを利用しているのがウリです、とおっしゃっていました。さて、以上で酒蔵見学は終了です。
約1時間、みっちり案内していただきました。ありがとうございました!
- ショールームにて試飲タイム
この後は、白瀧酒造の3階にあるショールームで試飲タイムが設けられていました。
お土産
気前よく色々試飲させていただけたので、気になるものはすべて味見させていただきました!

白瀧酒造では毎月限定のお酒が発売されており、10月の限定酒は20年前のお酒を当時のつくり方のまま再現したという『緑端渓(りょくたんけい)』がありました。
ほかにも、キウイ由来の酵母で醸した甘味たっぷりの『キウイ由来酵母の日本酒』や初代の名を冠したふくよか系の純米大吟醸『湊谷藤助』、そして気になっていた『上善如水 ひやおろし』!
ここでしか買えない蔵限定酒などもあり、全てが美味しかったです。

お土産として、『純米大吟醸 湊谷藤助』『魚沼 純米酒』そして『上善如水 純米大吟醸 蔵出し 限定酒』の3本をゲットしました!
58本限定の白瀧 SEVEN 純米大吟醸 『雫』 2022
帰り際に…LINEで友達登録をすると白瀧酒造の最高峰のお酒『白瀧 SEVEN 純米大吟醸』が試飲できるとのことだったので、白瀧酒造とお友達になりました。

生まれて初めて袋搾り(醪を酒袋に入れ、そこから自然に落ちてきたお酒だけを集める搾り方)のお酒を飲みましたが、雑味が全くなくとてもきれいな味わいでびっくりしました。
言葉を失う美味しさ…。

瑞々しい果実のような甘味が印象的で、ちょっとあまりにも手が届かない値段なのであきらめましたが、また機会があれば飲みたいお酒です。
まとめ
以上、白瀧酒造の酒蔵見学に行ってきたの巻、でした。

『上善如水』はクリアなボトルの純米吟醸しか飲んだことがありませんでしたが、他にも多々あるお酒を知ることができ、また味わうことができて有意義な時間を過ごすことができました。
スタッフの方々もフレンドリーで、商品の説明から誇りと自信をもって仕事されていること、お酒造りへの愛情が伝わってくるようで楽しかったです。
越後湯沢を訪れた際はぜひ、白瀧酒造に足を運んでみてはいかがでしょうか。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください。