前日に夜の街に浮かび上がる幻想的な山車とにぎやかで軽快なお囃子を十分に堪能し、迎えた本祭の日。
晴れ…てはいないものの雨は降っていない!
この調子で持ち答えてほしいと願いつつ、いざ出発です。
ちょっと比叡山に登ってお茶してきたお話はこちら↓
大津祭の宵宮に行ったお話はこちら↓
大津祭・本祭のスケジュール

こちらは前日にボランティアの方にいただいたマップに乗っていた本祭のスケジュールです。
おおむねこの時間通りに巡行していたので、大変役に立ちました。
ありがとうございます!
- 9:00天孫神社前に集合
- 9:30出発
- 12:00中央通りにてお昼休み
- 13:45午後の部再開
- 17:30巡行終了後解散
本祭の巡行路はこちら。

本祭の様子

9:00頃に天孫神社前に行くとすでにたくさんの人々が。
この頃には10基ほどの山車が駐機しており、続々と残りの山車も到着してきていました。

2023年のしんがりは『猩々山』です。

9:30 巡行スタート!
時間になると順に山車が出発していきます。
当たり前なんですが、人力で山車を引っ張っているのを見て感激してしまいました。

- 不鬮取鍛冶屋町 西行桜狸山
先頭の西行桜狸山の山の上には黄色いレインコートを着たたぬきちゃんが。
謡曲『西行桜』から取材されたからくりは、桜の精が現れて、西行法師と問答するもの。
- 1丸屋町 西王母山
西王母山のからくりは崑崙山に住む西王母の伝説に桃太郎を加えたもの。
桃がパカッと割れて童子が出てきます。 - 2中京町 源氏山
いわずもがな、源氏山・別名『紫式部山』のからくりの主人公は紫式部。
なんとこの回り舞台の原型ともいわれているからくりは、現存するものでは全国で2番目に古いものなんだそう。
紫式部が石山寺にて源氏物語をしたためる足元で、岩の中から潮汲み馬、御所車、かさ持ち、木履持ちなどが現れます。
- 3玉屋町 湯立山
湯立山のからくりは、称宜(ねぎ)がお祓いをし、市殿(いちどの)が笹で湯を奉り、巫女が神楽を奏する天孫神社の『湯立神事』を表したもの。
この山のお囃子はとっても活気があってすごく素敵でした。
- 4白玉町 西宮蛭子山
えびすさんが鯛を釣り上げる様子が西宮蛭子山のからくりになっています。
あまりにも鯛が元気過ぎて山車から飛び出して行ってしまい、スタッフの方が慌てて回収していました。
別名『鯛釣山』ともいわれているそうです。
- 5中堀町 孔明祈水山
その名の通り、孔明祈水山のからくりは蜀の諸葛孔明が扇を開いて水を招くと、水が沸き上がって流れ落ちる様子を描いています。
- 6後在家町・下小唐崎町 郭巨山
こちらのからくりは、中国二十四孝のひとりである貧しい郭巨が『子供はまた得られるが母は再び得ることはできない。』と口減らしのために子供を土中に埋めようと穴を掘ったとき、黄金の釜が出てきたという故事にちなんでいます。
- 7湊町 石橋山
雨で全体的にレインカバーがかぶされてしまいました。
石橋山のからくりは謡曲の石橋をもとにしており、天呂山の岩石の中から出てきた唐獅子が牡丹の前で踊る様子となっています。
お獅子が結構激しく踊るところが面白く、これが江戸時代に造られたのかぁと感心してしまいました。
- 8上京町 月宮殿山
謡曲『鶴亀』にちなんで、鶴と亀の冠をつけた舞人が皇帝の前で舞う様子がからくりとなっています。
山車の後ろ側に垂れ下がっている見送り幕はトロイ落城の情景を現したゴブラン織で、国の重要文化財となっています。
(山車についているのはレプリカだと思われます) - 9太間町 龍門滝山
『登竜門』の語源となった黄河の上流の竜門山の滝がからくりの舞台で、鯉が躍り上がるからくりが見られます。
後ろに滋賀県庁が見えてますね。
- 10猟師町 神功皇后山
神功皇后山のからくりでは、神功皇后が岩に弓で字を書く動きをすると次々と文字が現れてくる様子が見られます。
からくりが動いている間は、下にいる観客にも見やすいように子供たちが身を伏せてくれる配慮が嬉しかったです。
- 11柳町 殺生石山
能楽『殺生石』に因んだからくりでは、玄翁和尚の法力によって岩が割れて、中にいる玉藻前の顔が狐に変わる様子が見られました。
- 12南保町 猩々山
猩々山のからくりでは、能楽『猩々』より猩々が高風の酌で大きな盃で酒を飲むところが見られます。
猩々の真っ赤な髪のインパクトが大!でした。
運よくちまきをゲット!
ちまき争奪戦が繰り広げられる中、ひより気味な私は所望(しょうもん)の際も、空いているスポットの後ろの方でからくりの写真を必死に撮っていました。
それが功を奏したのか…?
知らんけど、ピンポイントでいくつかのちまきと手ぬぐいを投げてもらうことができました。

手ぬぐいは、手前の方に飛んできて地面に着地したものを拾いました。
意外と下に落ちたものは誰も拾わなかったのでラッキーすぎた。
雨だったので濡れてしまいましたが、石橋山のモチーフである唐獅子と牡丹の花柄がすごく素敵だったので嬉しかったです。


余談:推しは『西行桜狸山』!
たぬきが好きな私は、西行桜狸山が大好きです。
という事で、本祭の間は10年以上も昔に貰った(山車から投げてもらったのかも?)狸山の手ぬぐいをかぶって雨をよけていました。
ものすごく変な恰好の人になっていたことと思います。

見て、この愛らしいたぬき…。
雨だろうと風だろうと、くじ取らずの先頭として山車の屋根に上って後続の山車を導いてくれるたぬきちゃん、お疲れ様です!
途中から雨が降ってきたものの
途中から雨が降ってきたもののめげることなくお祭りは続き。

17:00前には雨だったこともあってか観光客はほぼ解散しており、地元の人々が山車を温かく見守る感じでアットホームな規模になっていました。
最後には『西行桜狸山』の山車で笛を吹いていた青年が『おねーさーん、取って―』と言ってちまきを投げてくれました。
ありがとうございます!
そんな感じで17:30には、雨の中必死に山車を追いかけまくった私の大津祭は終了したのでした。
本当に、東京から車をかっ飛ばしてきてよかった!
願わくば来年も来たいものです。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。