タンポンも月経カップも、生理中に体内に装着して使用する生理用品。
それだけ聞くとあんまり大きな違いはなさそうですが、実はこの二つは似て非なるもの。
それぞれに良さがあり、使い方も使用感も全く違う生理用品なんです!
今回は、どこでも手軽に購入できるタンポンと、最近そこまで珍しくもなくなった(?)月経カップとの違い&それぞれの良い点・微妙な点について比較していきたいと思います。
タンポンと月経カップのしくみ
まず、それぞれの生理用品のしくみについて。

タンポンの本体は『吸収体』と呼ばれるものでできています。
タンポンを膣内に挿入し一定時間入れたままにすることで、その吸収体が経血を吸収してくれるため、膣の外に血が出てこないしくみ。
吸収体のしっぽ部分には紐がついており、常に膣から出ている状態が正解で、取り出す時はその紐を引っ張ってタンポンを取り出します。
使い捨てなので、消毒などの手間も不要で気軽に使用できるのが魅力です。

月経カップも膣内に挿入して使用する点はタンポンと同じながら、こちらは医療用シリコーン(もしくは医療用TPE)で作られたカップ状のアイテムです。
生理中に膣内にこの『カップ』を装着し、一定時間入れたままにすると、カップの中に経血がたまっていくしくみ。
タンポンとは違って繰り返し使える製品のため、ゴミもほぼ出ず環境にもやさしいのがメリットです。
タンポンと月経カップ比較

管理人が思いつく限りの『タンポンと月経カップの違い』についてまとめてみました。
どちらもメリットとデメリットがあり、ユーザーによって好みが分かれそうです。
生理用品 | タンポン | 月経カップ |
---|---|---|
素材 | 綿 | 医療用シリコーン もしくは医療用TPE |
しくみ | 膣内で経血を吸収 | 膣内で経血を収集 |
装着場所 | 膣内の無感覚ゾーン | 膣内の無感覚ゾーン |
繰り返し使える | × | 〇 |
ゴミ | 使用するごとにゴミとして処分が必要 | 経血を捨てる必要があるが、カップ自体は洗って再装着できる |
安全性 | トキシックショック症候群(TSS)の可能性 | トキシックショック症候群(TSS)の可能性は限りなく低い |
最大使用時間 | 4~8時間 | 12時間 (製品によっては8時間) |
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タンポンのメリットは、
- ユーザーが多いのでトラブルを解決する方法が見つかりやすい
(トラブルや、ちょっと困ったことがあっても、ネットで簡単に先輩ユーザーの口コミやアドバイスを見つけることができる) - 使い捨ての製品なので、毎回新しいものが使える
タンポンのデメリットは、
- 毎回の使用ごとにゴミが出る(特にアプリケーターのついているものはごみが多め)
- トキシックショック症候群(TSS)の可能性がある
となりそうです。
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月経カップのメリットは、
- ゴミがほぼ出ないため環境にやさしい
- TSSの可能性が低く、安全性が高い
- 交換(リセット)の頻度が低く、頻繁にお手洗いに行かなくて良い
月経カップのデメリットは、
- 繰り返し使える分、毎回経血を捨てるたびにカップを洗い、清潔に保つ手間がかかる
こんなところでしょうか。
タンポンも月経カップも、購入時に同封されている取扱説明書に沿って使用することで、TSSを予防することができます。ただ、発生件数という意味ではタンポンの方が圧倒的に多く報告されているため上記のような表現となっています。
タンポンと月経カップ比較(管理人の感想)
ここからは、管理人が両方を実際に使用して感じた違いについて。
個人的な使用感なので主観が多いものの、一般的な感想とそこまでかけ離れていない(はず)と思っています。
タンポンと月経カップに共通するメリット
最初に、タンポンと月経カップに共通するメリットは
- 経血が身体の外に出ないので、ふとした時に感じる『どろっ』と血が出てくる感覚がない
- デリケートゾーンの通気性を妨げるものがないので、むれない&かぶれない
- 経血が肌に張り付く感覚がなく、快適
- 両方とも膣内の無感覚ゾーンに装着するので使用中に存在感を感じないため、生理中であることをほとんどの場合忘れることができる
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生理用品 | タンポン | 月経カップ |
---|---|---|
サイズ | フリーサイズ | 自分に合ったサイズを見つける必要あり |
購入場所 | ドラッグストアをはじめ、どこでも気軽に買える | 限られたお店で購入可能 もしくはオンライン通販 |
1年間でかかる費用 | 8,400円 (1か月に700円34個入りの商品を使う計算) | 5,379円 (インテグロ社・スーパージェニーを購入した場合@2022年3月9日の値段) |
3年間でかかる費用 | 25,200円 (上記の商品を使い続けた場合) | 5,379円 (破損などない場合、3年で買い替える必要なし) |
買い置き | 一定量を買い置きしておいた方が安心 | ひとつあれば十分なので買い置きの必要はない |
プール・温泉での使用 | 紐が気になるので控えている | 問題なし |
運動中の使用 | 問題なし | 問題なし |
挿入 | アプリケーター付きのタンポンは特に挿入が簡単 | スムーズに行うためには練習が必要 特にカップを膣内で開くのにはコツがいる |
取出し | 紐を引っ張ると取り出せるのでコツ要らず | 慣れると簡単だが、膣内に指を入れる必要があるため要練習 |
装着中の存在感 | 紐が出ているのが気になるが、膣内でタンポンの存在感を感じることはない | なし |
痛み | 経血だけでなく膣内の水分まで吸収されるため、生理後半は痛みを感じる (管理人の場合) | サイズ・装着位置などが合っている限り痛みなし |
経血の漏れ | 紐を伝って経血が染み出てくることがある | なし |
外出中の使用 | ゴミさえ処理できれば問題なし | 手を洗うための清潔な水が使用できない場所だと、リセットが難しい |
荷物 | 替えのタンポンを持ち歩く必要あり | 不要 |
健康管理 | タンポンに吸い込まれているため経血量などの把握は難しい (タンポンの重さを量るといい、という情報あり) | 経血量や色などの状態を把握できる |
タンポンのメリット
管理人が感じるタンポンのメリットは、
- (管理人的に一番ポイントが高い)フリーサイズな点
買ってから、『あ、これサイズ違う』とかないのが素晴らしい! - どこでも買えるので、急に生理が来ても対応できる
- 挿入と取り出しがめっちゃ簡単
(特にアプリケーター付きのタンポンはするんっと入れられる) - 紐がついているのでタンポンを交換し忘れることがない
(それぐらい紐には存在感があり、装着中は『紐がいる感』がある) - 月経カップのように洗う必要がなく、使用後は破棄することができる
でした。また、挿入の際にスキルなどが要らないため、気軽に使い始めることができたのもよかった点だと思います。
ただ、タンポンの使用でいくつか微妙だと思った点もありました。
タンポンのデメリット
- 買い置きを切らすと大変なことに。。また、生理期間でないときも収納スペースが必要
- プラスチックごみを減らしたいのにとにかくゴミが沢山出るので、プチストレスを感じる
- お手洗いに行ったときなど、膣から出ている紐が尿に触れるので衛生面が気になる
- 紐を伝って漏れた経血で下着が汚れることがある
- 生理後半は、タンポンが膣内で擦れる感じがして痛くなってくるときがある
などなど、リストアップしてみると意外と多かったデメリットたち…。
この辺は好みの問題もあると思いますが、私は紐と生理後期の使用感がとっても不快でした。
月経カップのメリット
続いて月経カップのメリットを。
- とにかく快適。紐がない!お手洗いの際、膣から紐が飛び出していないので衛生面も◎
- カップは水分を吸収しないので膣内の潤いが保たれるため、カップが擦れたりして痛みを感じることがない!
- ものによっては10年使えるなど長い間使用できるので、長期的にみると生理用品にかかるコストを削減できる
- 捨てるのは自分の経血だけなのでゴミがほぼ出ないうえ、お手洗い内の汚物入れが不要に
- 生理中でもプール・温泉に入ることができる
(紐も出ていないし、経血も出てこないので衛生面も気にならない) - 経血が漏れないので、下着が汚れない!また、生理中でも好きなデザインの下着を着られる
- 経血を確認しやすいので、健康管理に役立つ
- 可愛いデザインの月経カップが多く、選ぶのが楽しい(これは管理人だけかも)
月経カップのデメリット
最後に月経カップ使用中に微妙だと思った点を挙げていきます。
- サイズが!合わないと!漏れる!ので、サイズ選びが超重要!!!
- 挿入・膣内でカップを開かせる・取出しに慣れるのに時間がかかる
(管理人は挿入~取出しの一連の流れに慣れるのに、生理3回分の時間がかかった) - 快適すぎてカップをリセットするタイミングを忘れそうになる
(TSSの危険性がないわけではないため、使用時間は要厳守) - 月経カップに関する日本語の情報があまりないので、困ったときのリサーチに時間がかかる
月経カップを使うためにはカップを膣内で開かせたり位置を調整したりと、膣の中に指を入れる必要があります。
そのため、指を入れることに抵抗がある方には向かないかな?と思いました。
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いきなり使い始めても使えるのがタンポン、ちょっと練習が必要なのが月経カップという印象です。

あなたはどっち派?
タンポンと月経カップのメリットとデメリットを書きましたが、個人的には以下の理由が決め手となり、月経カップ一択!と感じています。
- 本当に快適すぎて、生理中であることを忘れてしまう
(カップのリセットを忘れないようにタイマーをつける必要あり) - ゴミがほぼ出ない
- 急に生理がきても、旅行やイベントの予定が影響を受けない
- 長い目で見ると低コスト
特に、月経カップに紐がついていないことでタンポンと比べると快適度がぐっと上がっているように感じました。これのおかげで、月経カップの手入れにかかる手間が帳消しになるレベル…!
どちらも使い捨てナプキンなどに比べるとデリケートゾーンを清潔に保つことができるうえ、むれやかぶれが起こる可能性もとっても低い生理用品なので、それぞれのファンも多いことと思います。
あなたはどっち派ですか?