<滋賀の地酒>お気に入りすぎる上原酒造『不老泉 山廃仕込 純米吟醸 原酒』を飲んでみた

日本酒のこと

私が日本酒を飲み始めたきっかけは不老泉。
出会いは昔過ぎて全然覚えていませんが、初めて『日本酒が美味しい』と気づかせてくれたお酒です。

どこで何の不老泉を飲んだか肝心なことは全く覚えていないのが笑えますが、初めて不老泉を飲んだ時からその濃醇で旨口、こってりしているのに後味がすっきりした不思議な味の虜になりました。

それ以降機会があればいろいろなお酒を試し飲みしていますが、不老泉はいまだに私が一番好きなお酒のひとつです。

上原酒造

上原酒造は滋賀県高島市にある造り酒屋さん。
高島には生水(しょうず)の郷として有名な針江地区もあり、多くの人がその美しい水郷を見学しに訪れます。

こちらの蔵の2個の大きな特徴は、酵母を添加しない山廃仕込天秤木槽搾りを採用しているところです。

上原酒造の特徴① 酵母を添加しない山廃仕込

酵母を添加しない山廃仕込は酛造りの伝統的な手法で、米麹と水を合わせた水麹に蒸米を混ぜ合わせて酒母を造ります。

天然の乳酸菌を取り込んで雑菌を駆除して酵母を育てるため、1か月ほどの時間がかかるといいます。
(速醸であれは2週間程度)

上原酒造では自噴の井戸水を仕込み水に使用しているそうですが、こちらは軟水なのだとか。
そのため、水にはミネラル分が少なく、酵母の栄養が少ないために醪後半になると発酵が止まってしまうそう。
その点山廃仕込みの天然酵母は生命力が強いため息切れすることなく発酵を続け、良いお酒が出来上がるんですって!

上原酒造の特徴② 天秤木槽搾り

木槽天秤しぼり(きぶねてんびんしぼり)では、船のような形をした『木槽』に醪が約8リットル入った袋を何百枚も積み重ね、天秤の原理を応用して圧力をかけてお酒を搾ります。

機械搾りの約85%しか搾れないそうですが、昔ながらの方法でじっくり3日間かけて出てくるお酒は雑味がなくいいとこどりのお酒になります。

手間や効率という意味でも、全国でも天秤木槽しぼりで日本酒を搾っているところは多くなく、一説には6蔵・7蔵だけとも言われています。

不老泉の年間生産量は500石(約5万本)。
このサイズの蔵元では外部に委託精米するのが普通だそうですが、上原酒造では自社精米器を保有して目指す酒質に合わせたベストな精米をしているのだそうです。

ちなみに、一番左の杣の天狗も最高に美味しいです

自分で勝手に注いで試飲できるスタイル。
さすがにそんな人はいないと思うけど…飲みすぎ注意ですね。

店内には川端(かばた)もあり、心地よい水のせせらぎに癒されます。
(川端は敷地内に湧き出る清らかな水を、飲料や炊事といった日常生活に利用する仕組みのこと)

上原酒造株式会社
滋賀県高島市新旭町太田1524
上原酒造 | 滋賀県高島市の蔵元です。不老泉。此の深みのあるお酒を御賞味下さい。 (furosen.com)

『不老泉 山廃仕込 純米吟醸 原酒』のスペック

酒米滋賀県産 山田錦 100%
精米歩合55%
使用酵母蔵付酵母
日本酒度+2
酸度2.1
アミノ酸度2.1

信じられないような手の込んだつくりで醸された『不老泉 山廃仕込 純米吟醸 原酒』のアルコール度数は加水されていないため、17度と少し高め。

使用酵母は蔵付酵母です。

日本酒の風味は使用されるお米よりも酵母の影響が大きいといわれることもあるそうで、上原酒造が生み出すお酒の独自の風味や味わいの要となっています。

『不老泉 山廃仕込 純米吟醸 原酒』テイスティング

絶賛写真を撮るのを忘れましたが、酒色はうっすらきれいな山吹色。
香りは穀物的なふくよかさ、そして若干のチーズ感も感じる香りです。

まずは冷や(常温)で。
不老泉の特徴である山廃造りならではの濃い旨みと気持ちのいい酸味がしっかり感じられます。
愛せる…。

そのあとはこちらのお酒を購入したお酒屋さんで『最初に熱めに燗をつけて、ちょっと温度が落ちるまで我慢して飲んでみて』といわれたので、やってみました。

ふわぁ、、濃さがさらに深まり、お米の旨み・甘味がぐいぐいきます。
にもかかわらず、後味はスッキリ。

こんなに濃厚で分厚い味わいにもかかわらず、飲みつかれないのはさすがとしか言いようがありません。

おつまみとか要らない、これだけでいい。
アルコール度数の高さを感じさせないため、ちょっと危険なお酒感は否めませんがあまりにも美味しすぎました。

『不老泉 山廃仕込 純米吟醸 原酒』を飲んでみて

『不老泉 山廃仕込 純米吟醸 原酒』はシンプルに美味しいお酒でした。
定番のお酒で、日本橋にある滋賀県のアンテナショップ・ここ滋賀でも運がよければ取り扱いがあるため、定期的に補給できるのも嬉しいところです。

『不老泉』といえば特に濃醇参年熟成酒の赤いラベルが有名。(ですよね?)
個人的に赤ラベルの方は通好みだと思っているのですが、紫ラベルはより多くの人が飲みやすいお酒なのではないかと思っています。

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。

参照:
上原酒造 | 滋賀県高島市の蔵元です。不老泉。此の深みのあるお酒を御賞味下さい。 (furosen.com)
木槽天秤搾り(きぶねてんびんしぼり) 上原酒造「不老泉」 山廃仕込の酒 (biwa.ne.jp)

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