関西滞在中に絶対に行っておきたかった、奈良。
奈良は清酒発祥の地とされており、酒造りの神様を祀るとして信仰を集める神社・大神神社など日本酒にゆかりのある場所が多々あるんです。
大神神社参拝、そしてランチに三輪そうめんをいただいた後は、日本酒を求めて『三諸杉』や超自然派の『菩提酛造り』で知られる今西酒造へ行って参りました。
『うま酒』が三輪の枕詞
万葉集で詠まれている三輪を導く枕詞は『うま酒』なのだそう。
額田王(ぬかたのおおきみ)の代表的な歌に、下記のものがあります。
『うま酒 三輪の山 青丹よし 奈良の山の 山のまに い隠るまで 道のくま いさかるまでに つばらにも 見つつ行かむを しばしばも 見さけむ山を 心なく 雲の 隠さふべしや』
神聖な三輪山が美しい奈良の山々の間に遠く隠れてしまうまで、道の曲がり角ごとに、振り返ってみて行こうと思うのに、遠くからでも見はらしたいその山を、雲よ、どうか無情にも隠さないでおくれ。

これは天智天皇が天智6年(667年)に都を飛鳥(今の奈良)から近江(今の滋賀)へ都を移す際に、額田王が詠んだ歌と言われています。
古来より三輪の地は日本酒と深くかかわりがあり、その酒の神が鎮まる場所で唯一現存している酒蔵・今西酒造に行ってきました。
今西酒造
今西酒造は万治3年(1660年)創業。
『清く、正しい、酒造り』を醸造哲学にお酒を醸しています。
『清く』は三輪の曇りなき清らかさを表現すること、『正しく』は酒を醸すという点において正しいことしかしない、ということ。
どれだけ手間や時間がかかろうと、手作業で丁寧に、品質を第一に考えた酒造りを行っているそうです。

今西酒造のこだわり
仕込み水は『飲めば万病に効く』といわれている、やや軟水でやわらかい口当たりの三輪山の伏流水を使用。

また今西酒造は『三輪を飲む』をブランドコンセプトとして掲げています。
使用する酒米にもこだわりがあり、仕込み水の湧く水脈上で契約農家とともに育てた『山田錦』そして『露葉風(つゆはかぜ)』を主に使用しているそうです。
『露葉風』はJA奈良県と奈良県酒造組合の契約栽培米。
複雑味あふれる豊かな舌触りと適度な酸味が特徴的な味わいのお酒が出来上がるといわれています。
今西酒造 株式会社
奈良県桜井市三輪510番地
今西酒造 参道店

間抜けな話ですが、私は最初、こちら(↑)の参道店が本店だと思って大神神社参拝後に立ち寄りました。
でもなんだか様子が違う…という事で調べて見ると、本店はここから5分ほど歩いたところにありました。
今西酒造 参道店
奈良県桜井市大字三輪1224番地
三諸杉
今回は今西酒造創業当時からあって地元流通の銘柄である『三諸杉 純米吟醸』をゲットしてきました。
適度に香りがよく旨みと酸味、そして苦味のバランスがいいお酒とのことで、飲むのが楽しみです。

もうひとつの銘柄『みむろ杉 ろまんシリーズ』は特約店流通限定販売で、控えめな香りとフレッシュでお米の旨みが広がる綺麗なタイプのお酒だそうです。
こちらは奈良でなくても購入できそうだったので、また次の機会に。
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愛車と共に乗った福岡行きの夜行便『フェリーびざん』で三諸杉を飲んだお話はこちら↓
『菩提酛(ぼだいもと)』を使ったお酒も気になります
奈良にはほかにもいくつも日本酒にゆかりのある場所があるそうで、帰ってきたシリからまた奈良に行きたくなっています。

日本清酒発祥の地・正暦寺の『菩提酛(ぼだいもと)』を使ったお酒は今回行った今西酒造を含め、奈良県内7つの酒蔵で醸されているそうで、それもとっても気になっています…!
奈良市内には菩提酛を使って醸したお酒が飲み比べできるお店もある、とのことなので近々奈良市内にもいかなければ。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。