飛行機が欠航したのでサッポロビール博物館に行ってみた<北海道・札幌>

北海道あるき

北海道からこんにちは!

羽田から稚内間を新千歳経由で飛行機で移動しようとしたら到着地が強風のためにフライトが欠航してしまい、予想外にも通過予定だった札幌にて滞在時間が発生してしまったのでした。

突然降って湧いた札幌観光のチャンス。

慌てて何かできることを…と探してみると、札幌市内には明治の面影が残る北海道遺産のひとつ、サッポロビール博物館があると知ったので閉館ギリギリの時間でしたが訪れてみました。

北海道開拓事業

『北海道』が誕生した明治2年(1869年)、同時に欧米の文化・技術を積極的に取り入れ、それをもとに農業や鉱工業などの産業を新たに興し、交通整備や開拓の基盤を固め、北方の警備に努めるなど、北海道のみならず日本の国家近代化にとって重要な役割を果たすべく『開拓使』が設立されます。

『開拓使』による数多くの事業のひとつとして、明治9年(1876年)9月23日に木造二階建ての『開拓使麦酒醸造所』の完成とともに北海道でのビール醸造が始まり、それが今のサッポロビールの始まりとなりました。

北海道には本州などから多くの人々が移り住みました。
気候も植生も異なる地での開拓では数多くの苦労があったと言われていますが、明治2年(1869年)には約6万人だった人口は、明治19年(1886年)には約30万人となりました。

サッポロビール博物館

今回は閉館ギリギリの時間にサッポロビール博物館に到着したため、無料の『自由見学コース』を見学してきました。

北海道開拓史に関する展示から始まり、瓶ビールに使用された歴代のラベルなど、広くはないエリアの中にたくさんの情報が凝縮されています。

札幌は冷涼な気候を活用した冷製のラガービール(低温下面発酵)の製造に適しており、また水質のよい湧水豊富な土地であったためにビールづくりには最適な場所だったそう。

開拓使は東京・青山での醸造所建設を決定するも、開拓使のひとり村橋久成の強い意志によって札幌でビール事業が開始されたこと。
また開拓使によってはじめられた数多の事業の中でもこのサッポロビールに繋がるビール事業は数少ない現存するビジネスである、など面白い事実を知ることができてとっても勉強になりました。

サッポロビール博物館
北海道札幌市東区北7条東9丁目1-1

自由見学コース(無料)の見どころ

 サッポロビール博物館の建物は1965年まで実際にビール工場として使用されていたもので、レンガ造りの雰囲気のある建物は北海道遺産に選定されています。

自由見学コースはサッポロビール博物館の3階から始まります。
まずは館内に入り、エレベーターで3階に上がりました。

最初に目の前に現れたのは巨大な煮沸釜!
サッポロビール工場で実際に使用されていた煮沸釜の曲線に沿ってスロープを降りていくと、2階のサッポロギャラリーへ入ることができます。

サッポロギャラリーには北海道やサッポロビールの歴史を紹介する展示ブースがあり、開拓使の始まりから北海道でのビールづくりについてなど今日のサッポロビールにつながる歴史が分かるつくりになっています。

お酒のラベルが好きな私は、大日本麦酒製のビール瓶に使用された海外向けのラベル展示がとても気に入りました。

サッポロビール博物館の1階にはミュージアムショップと工場直送の美味しいビールが嗜める雰囲気のあるビアホール・スターホールなど、ゆっくりと時間を過ごしたい施設が揃っていました。
次回札幌に来た時は、絶対ビアホールで工場直送ビールを味わいたいです…!

併設のサッポロビール園

サッポロビール博物館の隣には、明治の面影を残すレンガ造りの建物がもうひとつ。

ビールとジンギスカン料理を楽しむことができる大型レストランの入る『開拓使館』があります。
1階はトロンメルホール、2・3階はケッセルホールと呼ばれ、雰囲気のあるビアホールとなっています。

外からこちらの建物を見ると、後ろに迫力のある煙突があるのが印象的でした。

麦とホップを製すればビールという酒になる

『麦とホップを製すればビールという酒になる』

敷地内にはほかにもレストランやガーデンショップ・フォトスポットなどがあり、散策するだけでも楽しめる施設となっていました。

サッポロビール園のバス停横に置かれたビヤ樽に記された白い文字を右上から斜め下に向かって読んでいくと、『麦とホップを製すればビールという酒になる』と言う文章になります。

こちらは1876年に『開拓使麦酒醸造所』が創立された際、まだビールとは何かが一般的に知られていなかった中で残された、サッポロビールから政府高官への報告のためのメッセージでした。

ビヤ樽自体は当時のものを新たに復元したものだそうですが、そこに書かれたメッセージは日本の近代化を目指す開拓使時代の精神と創立当時の歴史と情熱を表す『サッポロビールの原点』なのだそうです。

今回は駆け足で回ることしかできなかったサッポロビール博物館ですが、限られた時間の中でもサッポロビールの始まりと今までを知ることができ、とても勉強になりました。

明治新政府の国策としてのビール事業に掛ける胸熱な歴史を知ることができ、うっかりサッポロビールのファンになってしまいそうな勢いです。
…というか、北海道滞在中にサッポロビールファンになってしまう展開が目に見えるようです

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください。

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参照:
サッポロビール博物館 | 工場見学・ミュージアム | サッポロビール (sapporobeer.jp)

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