月経カップの安全性。一般医療機器届出番号やFDA登録ってなに?

月経カップについて

一般医療機器である、月経カップ。
膣内に装着して使用するため、安全性が気になっている方も多いのではないでしょうか?

今回は、その安全性の指標となりうる『保健当局への登録』についてまとめてみました。

月経カップを選ぶ際の参考にしていただけたら嬉しいです!

<月経カップの安全性> 一般医療機器登録番号(日本)

月経カップは、日本では『クラスⅠ一般医療機器』として認識されています。

そのため、日本国内で販売される月経カップは、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ届け出を行うことが義務付けられています。

”PMDAは、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としています。”

PMDAとは | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
クラス分類定義製造販売規則審査機関
クラスⅣ
高度管理医療機器
患者への侵襲性が高く、不具合が生じた場合、生命の危機に直結する恐れがあるもの承認PMDA
クラスⅢ
高度管理医療機器
不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの承認PMDA
認証登録認証機関
クラスⅡ
管理医療機器
不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの承認PMDA
認証登録認証機関
クラスⅠ
一般医療機器
不具合が生じた場合、人体へのリスクが極めて低いと考えられるもの届出
(自己担保)
PMDA

一般医療機器届出番号は箱に記載されていますので、購入前には確認するようにしましょう。

海外から個人輸入で月経カップを購入する場合は注意が必要です。
一般医療機器としての届出はされていないため、雑貨として購入したものを自己責任で使用することになります。

国内で購入したものであっても、PMDA登録がされていない月経カップを使用する場合は注意が必要です。
使用中に不具合が生じた際、個人輸入で購入したものと同様、自己責任で対応することになります。

<月経カップの安全性>FDAについて(米国)

FDAとは米国のFood and Drug Administrationという、日本の厚生労働省に似た役割を持っている機関で、科学的に実証された、健康・医薬品・食品などに対する正しい情報が国民に開示されることを一つの目的としています。

月経カップは、FDAによって『医療機器』として認識されているため、米国内で販売されるものはすべてFDAの規制の対象となります。
(米国外で製造・販売される月経カップについては、FDAの登録義務はありません。)

FDAの高いスタンダードには信頼性があるため、FDAに登録されている商品は安全に使用できるものととらえて問題ない指標になると考えられます。

FDA Approved と FDA Registered

医療機器は、米国では3つのクラスに分けられます。

このクラス分けは、使用者が安全で正しく、効果的に医療機器を使用できるよう、特定のラベル付けをし、情報を周知するためにも使われます。

クラス分類定義製造販売規制
クラス3不具合が生じた場合、人体へのリスクが高いと考えられる医療機器ペースメーカーなどFDAへの承認が必要
クラス2不具合が生じた場合、人体へのリスクが中度と考えられる医療機器月経カップなどFDAへの登録が必要
クラス1不具合が生じた場合、人体へのリスクが低いと考えられる医療機器包帯、手袋などFDAへの登録が必要

すべての医療機器はFDAに登録する必要がありますが、クラス2である月経カップは登録後、承認を受ける必要はありません。

そのため、米国内で流通している月経カップのウェブサイトで『FDA Registered (FDA登録済)』という文言が入っているのに気づいた方も多いのではないでしょうか。

逆に言えば、クラス3でない月経カップはFDA Approved (FDA承認済) と表現することはできませんので、もしこの文言が書いてある月経カップを見たら、気を付けた方がいいかも知れません。

クラス2医療機器について

米国内において、クラス2医療機器としてカテゴライズされている月経カップは、FDAへの登録なしに雑貨として販売することはできません。海外で製造された月経カップであったとしても、米国内で販売するためには必ずFDAに登録する必要があります。

2014年12月までは、米国内で月経カップを販売するためには、FDAへの登録と会わせて510(k) premarket notification (市販前の届出)を提出する必要がありましたが、2022年1月現在は免除の扱いとなっています。

そのため、米国内で販売されている月経カップの中には、510(k) premarket notification 提出承認済のものとそうでないものが混在しており、購入の際はどちらが安全なのか迷ってしまうことがあるかもしれません。

主に、違いはそのカップがいつ米国内で発売されたかに関係しているのではないかと思います。

おまけ:TGAとは(オーストラリア)

オーストラリアで販売されている月経カップが気になっている方の中には、TGAという言葉を見かけたことがある方がいるかもしれません。

TGAは、Therapheutic Goods Administration というオーストラリアの保健省の中にある一つの機関、薬品・医薬品行政局のことです。

2018年7月以前は、オーストラリアで販売するすべての月経カップAustralian Register of Therapeutic Goods (ARTG) への登録を義務付けていました。しかし法改正に伴い、2022年1月現在はARTG登録免除の扱いとなっています。

TGAは2016年に月経カップの使用に関して、使用時間を8時間以下にすることを推奨しています。
そのため、オーストラリアで販売されている月経カップは、最大装着時間が8時間となります。

Mayu
Mayu

メルーナはTGAの推奨を受け、もともとは12時間だった使用時間を8時間に変更したそうです。

まとめ

月経カップは世界中世界中で生産・販売されており、ウェブ上で検索すると素晴らしく使いやすそうなものやかわいいデザインのものなど、様々なブランドの商品を見つけることができます。

購入の際には、保健当局の登録を行っているかなどを確認することで、より安心して月経カップライフを送れると思いますので、是非参考にしてみてください。

当サイトではこれからも月経カップをはじめ、生理を快適に過ごすためのに関するお役立ち情報をどんどんアップしていく予定です。ご興味があれば、ブックマークしていただけたら嬉しいです。

それでは、ハッピーな生理ライフを♪

参照記事
PMDA: 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
FDA: Food and Drug Administration
TGA: Therapeutic Goods (Standard for Menstrual Cups) Order 2018
メルーナジャパン: 月経カップの最長装着時間に違いがあるのはどうして?

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