佐賀県鹿島市には5つの酒蔵があり、県内でも有数の酒どころとなっています。
前回の馬場酒造場に続き、今回は『竹の園』や『肥前蔵心』を醸す矢野酒造へ行ってきました。
矢野酒造

寛政8年(1796年)にかつての能古見村にて創業された矢野酒造は、その後鹿島の地に移転し、200年以上にわたって酒造りをしている蔵です。
アルコール添加によって損なわれてしまった日本酒本来の風味を取り戻すべく、原点に戻り水と米だけのお酒を造ることを決意し、平成16年(2004年)に今後の製造の中心を純米酒に置く『純米酒宣言』を行いました。
矢野酒造では特に『蒸米』のプロセスを重視しており、燗上がりする旨い純米酒を目指しているそう。
奇をてらわない、優しい味わいのお酒が定評なのだそうです。

矢野酒造
佐賀県鹿島市大字高津原新町3903-1
矢野酒造の建物は国の登録有形文化財

矢野酒造では、主屋や中蔵、米を発酵させる菌を培養する麹室(こうじむろ)、西蔵、東蔵、米のぬか(皮に近い硬い部分)を取り除く作業をしていた旧精米所、そして離れが国の登録有形文化財に指定されているそう。

また直売所横の試飲エリアには歴史を感じる掛け軸や骨董品などが展示されており、お店の方がそれぞれのアイテムについて親切に説明してくださいました。



中でも特に記憶に残ったのは、圧倒的な存在感を放っていた昭和初期に造られたという掛け時計。
格好良すぎる!
今でもねじを巻くとちゃんと動くそうです。

『肥前蔵心(ひぜんくらごごろ) 特別純米』

今回一番スタンダードなお酒が欲しい!という事でおすすめしていただいたのは、『肥前蔵心 特別純米』です。
後日ホテルでこちらのお酒を味わってみました。
『肥前蔵心 特別純米』のスペック
酒米 | 佐賀の華 |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | F401 |
日本酒度 | 5 |
酸度 | 1.8 |
アミノ酸度 | ー |
F401という酵母は、佐賀県工業技術センターが開発した佐賀県オリジナルの酵母。
バナナやメロンを思わせる穏やかな香りと適度な酸が特徴なのだそうです。
スペックだけ見ると、やや濃醇なあじわい&辛口系のお酒なのでしょうか。
精米歩合も60%と高くはないので、お米の旨みがしっかりと感じられそうです。
『肥前蔵心 特別純米』テイスティング


開栓すると、控えめながら甘みのある花のような香りがしました。
何の花だろう…とても好きな香りです。
ひと口飲むと穀物らしい、旨みたっぷりの奥行きのある味わいが広がります。
程よい酸味とピリリとした辛味があり、キレも良く。
最後に通り過ぎる苦味までおいしいお酒です。
全体的にすっきりしているので、すいすい飲めてしまいちょっと危険かも。
美味しいので、飲み過ぎには注意です。
こちらで買い物をした際、素敵なお土産をいただきました♪

お店の方が手造りした栞なのだそう。
古い着物の端切れを貼ったもの&福ぶたちゃんです。
ちょうど栞が欲しかったので、ありがたく使わせていただきます!
引き続き鹿島の酒蔵を巡ります!
今回飲んだ『肥前蔵心 特別純米』は、同じ鹿島の酒蔵でゲットした馬場酒造場の『能古見』とはまた全く違った味わいのお酒でした。
この調子で、他の酒蔵で醸されたお酒を飲むのが楽しみすぎる…!
佐賀滞在中にお気に入りのお酒をいくつも見つけていきたいと思います。

そして…玄関前には10月29日に開催されるイベント『秋の蔵々まつり』の情報が張り出されていました。
これはちょっと気になる!
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。
その後、秋の蔵々まつりに行ったお話はこちら↓
参照:
創業寛政八年 技と心を伝えて二百有余年 肥前鹿島手造りの蔵 矢野酒造 (yanoshuzou.jp)
鹿島酒蔵ツーリズム|KASHIMA SAKAGURA TOURISM (sakagura-tourism.com)