先日、愛知県の知多エリアに行く機会がありました。
知多はかつては国内でも有数の酒どころだったそう。
酒の名産地として栄えており、元禄10年(1697年)ごろからは江戸へもお酒を出荷していたのだとか。
現在知多地区には7つの蔵があり、今回はそのうちのひとつである澤田酒造に行ってきました。

澤田酒造

創業江戸嘉永元年(1848年)の沢田酒造は、日本六古窯最古の陶器である常滑焼の産地として知られる愛知県常滑市に蔵を構える酒蔵です。
仕込み水には蔵から2㎞ほど離れた知多半島の中央丘陵部の軟水の湧き水を使用、酒米も地元産のものを使って昔ながらの製法で手間をかけたお酒造りをしています。
澤田酒造
愛知県常滑市古場町4丁目10番地
テイスティングルーム『さかふね』で試飲!

澤田酒造の新しい直営店・澤田北倉の奥にあるテイスティングルーム『さかふね』では、不定期で週末に白老を一杯から飲める角打ちバーが営業されています。
『さかふね』の名前は醪を搾る道具が由来なのだそう。
なんとバーカウンターに、50年ほど前まで実際に澤田酒造の酒造りで使用されていた酒槽(さかふね)が使われているんです!
澤田酒造のインスタグラムをチェックしてみると、常滑を訪れたタイミングで丁度オープンしていたので朝から訪れてみました。

テイスティングルームには酒米や常滑焼の展示がありました。
どのお米から自分の飲んでいるお酒がつくられたのか思いを馳せながら楽しめるのが素敵です。
おつまみ

酒粕を使用したクリームチーズに奈良漬け、そしてレーズンなど!
すべてお酒との相性抜群で絶品でした。
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常滑といえば日本六古窯のひとつでもあり、焼き物が有名ですよね。
なんとテイスティングルーム『さかふね』では試飲の際、何種類もの常滑焼の器の中から自分の好きなものを選ぶことができるんです!
焼き物の産地らしい素敵なおもてなしだなと思いました。
純米大吟醸 知多の花露 知多山田錦 三割五分磨き


まず最初にラベルが気になって試飲した一杯。
完全に知多産の原材料を使用し長期低温発酵にて醸された純米大吟醸です。
ラベルの見た目通りの華やかさと落ち着いた味わいです。
するすると流れるようなきれいな飲み心地、めちゃくちゃ美味しい!
三割五分磨きというのは、白老では初めての試みだったんだそうです。
2023BY 白老 若水 特別純米 無濾過生原酒


愛知オリジナルの酒造好適米『若水』を使用して醸された特別純米酒。
旨味が濃くてこってりしたタイプのお酒で、お米感が強くて美味しい!
アルコール度数が少々高めで濃醇でした。
白老 純米吟醸 知多半島産 契約栽培米100%使用


愛知オリジナルの酒造好適米『夢吟香』を使用した純米吟醸。
フルーティーで軽やか、とても飲みやすくて美味しかったです。
2023BY 白老 若水 純米 うすにごり 生酒


おりがらみで、お米の旨みがじわっと広がるタイプのお酒でした。
すでに開栓されていたためにラベルにあったぷちぷち感がなかったのが少し残念でした。(ぷちぷち好き)
白老 2023BY 純米吟醸 秋のうすにごり 火入れ


落ち着いた辛口のお酒で、とても飲みやすい!
燗をつけたらよりおいしそうなお酒だなと思いました。
2024BY 白老 若水 純米 しぼりたて 生酒 六割五分磨き


地元の原材料で醸されたスタンダード的な純米酒。
ライトボディでどちらかというと辛口め。
お米の旨みがありながら、思った以上になめらかで飲みやすかったです。
2023BY 白老 でらから 純米 無濾過生原酒


名前から想像していたけど、想像以上に旨味たっぷりで、すごく辛口のお酒!
アルコール度数も高めで、ゆっくりと、お酒を歯で噛み切るようにしながら飲みました。
白老 大吟醸 勝盃


兵庫県特A地区の山田錦を使用したお酒で、とても華やか!
透明感のある味わいでした。
『勝盃』という名前も縁起が良くて素敵ですね。
もちろん燗酒も!!

なんと、『さかふね』では燗酒まで楽しむことが出来るのです、、至れり尽くせりすぎる!
おすすめを聞いたら、全部美味しいですよとおっしゃったのですべていただきました。
白老 純米酒 でらから


その名の通りかなり辛口のお酒でした。
旨味が濃くて、穀物感のかたまりがじわりと口いっぱいに広がります。
美味しい!
白老梅 梅酒 純米吟醸仕込


今回初めて梅酒に燗をつけて飲んでみましたが、、これはすごい。
温めたからなのかこの梅酒がそもそもそうなのかは分かりませんでしたが、梅酒の甘味がのどに詰まる感じがなくてとても飲みやすかったです。
こちらの梅酒は江戸時代に書かれた『本朝食鑑』のレシピをもとに醸されたものなのだそう。
その工程は当時と同じ、すべて手作業で行われたんですって。
門 純米大吟醸 & 門 自然栽培米 火入れ


門(Gates)は現代美術家のシアスター・ゲイツ氏の名前から名づけられました。
ゲイツ氏は愛知県常滑市を活動拠点のひとつとしており、そのご縁で彼がフランスにて活動を行った際に提供されたものなのだそうです。
今回は少し時間のたったお酒を、あえて燗をつけて提供されていました。
白老 純米吟醸熟成酒 豊醸

二年以上も貯蔵された純米吟醸酒で、とてもなめらかな舌触り。
しっかりと旨味もあるものの軽やかで飲むと同時に身体に沁み込んでいくようなお酒でした。
特に気に入ったのは『純米大吟醸 知多の花露 知多山田錦 三割五分磨き』



すべて美味しかったですが、中でも特に『純米大吟醸 知多の花露 知多山田錦 三割五分磨き』が一番気に入りました!
上品な甘みがしっとりと流れ、身体に沁み込んでいく感じがたまりませんでした…!!
『白老 純米吟醸 知多半島産 契約栽培米100%使用』と『白老 2023BY 純米吟醸 秋のうすにごり 火入れ』もとても美味しく、この辺りはおかわりをしてしまいました。
蔵元直売所でお土産ゲット

さんざん試飲(しいん?)した後は、直売所でお土産をゲットです。
お酒も各種あり悩みに悩んだ結果、気づいたと気にはお酒だけでなく酒粕仕込みの穀物酢『純粕酢』となぜか寿司酢も購入していました。
酔っ払いですね!
今回初めて知多のお酒を飲みました。
というか愛知のお酒自体ほとんど飲んだことがなかったのですが、澤田酒造のお酒はお米を感じる旨味のある味わいのものが多くとても美味しいと思いました。
『白老は地元で愛されてきたお酒なので、マーケット開拓のためにより今の好みに寄り添った味わいにすると地元でのうけが悪くなる』『愛知のひとはクルマ文化なのであまり日本酒を飲まない』などなど、興味深いお話もたくさん聞くことができたのも良かったです。
澤田酒造は他県の酒蔵とのコラボなどもされているらしい(!)ので、定期的に情報をチェックしていかねばと思いました。
という事で、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。