<滋賀の地酒>藤本酒造 『神開 水酛漆号 純米酒 天然乳酸発酵そやし水仕込』『神開 陸号菊酛 純米酒 天然乳酸発酵水酛弐段仕込』を飲んでみた

日本酒のこと

今は昔…すっかり時が経ってしまいましたが、前回の試飲販売会で入手した神開を飲んだ感想をまとめました。

いつものことながら大切に大切に冷蔵庫で保管していたお酒たちだったけれど開けたら一瞬でなくなりますね。

今回飲んだのは、ちょっと珍しい醸造方法で醸されたお酒たちでした。

東京日本橋にある滋賀県のアンテナショップ・ここ滋賀で藤本酒造の試飲販売会に行った話はこちら↓
近江の地酒!藤本酒造-神開-販売会@ここ滋賀<東京・日本橋>

神開 甲賀山田錦 七割磨 2022を飲んでみた感想はこちらです↓
<近江の地酒>藤本酒造 『神開 甲賀山田錦 七割磨 2022』を飲んでみた

『神開 水酛漆号 純米酒 天然乳酸発酵そやし水仕込』

こちらはここ滋賀での試飲会で『もうここにある分で最後です』と言われたので、即行でカートに入れたもの。

こちらのお酒は室町時代の日本酒の製法『水酛』で造られています。
『水酛』は生米と蒸米を数時間水に浸して乳酸発酵を行い、そやし水という乳酸発酵によって造られる酸性の水を使用する製法なんですって。

なるほど。
だからやさしい酸味のあるヨーグルトっぽい香りがするんですね。

スペック

『五百年前の醸造法デ 蔵付酵母デ醸シタ酒デス』

酒米兵庫県産 山田錦 100%
精米歩合60%
使用酵母蔵付酵母
日本酒度‐22
酸度3.3
アミノ酸度

こちらのお酒は日本酒度‐22度と中々他では見ないスペックのお酒。

相変わらず『生酒』に惹かれてしまいます。

テイスティング

こんな表見たことないわ!
という位置に★がありますね。

しかし道理で、とっても濃厚な甘口ながらくどくないうえにキレのいい不思議な味わいです。

天然の乳酸菌発酵による旨味、ほのかにヨーグルトのような酸味のある香りが特徴的。
しっかりと甘みもあるので、デザートワインのような感覚でも楽しめるお酒です。

逆に常温だと酸味が少しぼやけてしまい、重い味わいになってしまう気がします。
冷えた状態で飲むと酸味がしっかり感じられて最高においしいと感じました。

『神開 陸号菊酛 純米酒 天然乳酸発酵水酛弐段仕込』

言わずもがな、ラベルがとんでもなくオシャレ。

蔵元さんいわく『25℃で1週間水に浸けて米を置いておいたんですよ、昔ながらの作り方なんです』
とのこと。

こちらのお酒は三段仕込みではなく二段仕込みで造られており、『菊酛』を使用しています。

スペック

『古式水酛変則弐段仕込 往クモ戻ルモ 風ニ聞イテ』

酒米滋賀県産 吟吹雪 100%
精米歩合60%
使用酵母蔵付酵母
日本酒度‐26
酸度3.6
アミノ酸度

こちらのお酒はまさかの日本酒度‐26度。

相変わらず『生酒』に惹かれてしまいます。
特有のフレッシュな味わいがたまりません。

テイスティング

もはやグラフ場外なのですが、なぜか水酛よりもマイルドな甘さに感じたのは酸度が高いからでしょうか。

不思議と香りも水酛と比べると落ち着いているように感じました。

甘みと酸味のバランスがとてもよく、濃厚な味わいながらおいしく飲み続けられます。
こちらも、常温よりきりりと冷えた状態が一番おいしいと感じました。

酒母とは

酒母は蒸米に麴こうじを加えて発酵させたもの。
日本酒の醪を作るもとになるもので、原料は蒸米・麹・仕込み水・酵母・乳酸

酒母を造ることによってアルコールを生成するための酵母を大量に培養することができます。

アルコールのもとになるのは糖分。
しかしながら、日本酒の原料となるお米には糖分ではなくでんぷんが含まれています。

そのため、お米からアルコールをつくるにはまず麹菌によってでんぷんを糖分に変え、その糖分を酵母によってアルコールに変える必要があります。
このように日本酒を醸す過程で発酵が同時に並行して行われることを『並行複発酵』と呼びますが、これは酒母づくりの過程で行われていきます。

酵母は雑菌などによってすぐに死滅してしまうという特徴がありますが、そこに乳酸を投入して酸性を保つことで雑菌を退治していきます。

神開のような生酛系酒母を使って醸したお酒では、酒蔵の中に生息する乳酸菌を取り込むことによって酒母を造っていきます。

こうして造られた日本酒は、乳酸菌が入り込むことによって濃厚で酸味のある味わいになるという特徴があります。

『神開 水酛漆号 純米酒 天然乳酸発酵そやし水仕込』『神開 陸号菊酛 純米酒 天然乳酸発酵水酛弐段仕込』を飲んでみて

どちらも濃厚で甘味&旨みが強く、とっても美味しかったです。
個人的には常温よりも冷えた状態で飲むのが好みでした。

そして…飲んだのが蒸し暑い夏日和だったこともあり、一度日本酒で試してみたかったカクテルをやってみました。

ソーダ割

ソーダの爽快感あるのどごしと日本酒の深みある味わいとの相性が良く、夏にぴったりのドリンクともいわれているソーダ割。
中には蔵元がレシピを公開しているところもありました。

アルコール度数が下がるため更に飲みやすくなる、軽やかな味わいになるためより幅広い料理と合わせやすくなるなどの利点もあります。

日本酒のソーダ割りのレシピ

  1. グラスと日本酒を冷やしておく
  2. 氷をグラスに入れる
  3. 日本酒を注ぐ
  4. 最後にソーダを注ぐ

日本酒とソーダの割合は3:2がおすすめ
原酒などの場合は1:1の割合でも美味しく飲めそうでした。

普段日本酒を飲んでいて感じることがないのどごしと爽快感が楽しいお酒の出来上がりです。
しかしちゃんと神開の味わいは残っていて、日本酒らしさが感じられるのがポイント高し。

こちら、ソーダストリームは私の必需品。
炭酸水を頻繁に飲む人は、すぐに新鮮な炭酸が作れるのでとってもおすすめです。

ロック

ひんやり美味しく、少し溶けた氷が濃厚な神開をやさしくマイルドな味わいに変化させます。
ストレートで冷やした状態で飲むのとまた違った美味しさではまってしまいそう!

こちらのレシピは日本酒ロック部(下記リンク有)のものを参考にしました。

日本酒ロックのレシピ

  1. グラスと日本酒を冷やしておく
  2. 氷をグラスに入れる
    透明なロックアイスを使うと、よりおいしさが引き立つそう!
  3. グラスの6割程度まで日本酒を注ぐ
  4. ゆっくりと3周ほど混ぜる
    激しく混ぜたり、混ぜすぎたりしないようにしましょう。

氷はDAISOで購入した大きくて丸い氷が作れる製氷型で作ったものです。

どちらもじめっとした暑い気候に最適なドリンクが出来上がりました。

今回は偶然神開がこのレシピに合いそうと思ったので半ば思い付きで作ってみましたが、次回はソーダ割・ロックで飲むために日本酒を選ぶのもありだなと思いました。

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。

参照:
「日本酒は、ロックの時代。」#日本酒ロック部 | 宝酒造株式会社 (takarashuzo.co.jp)

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