五島列島に来る前から絶対に行きたいと思っていた場所があります。
ほぼ無人島の野崎島にある、旧野首教会。
1971年に廃村となった野首集落の高台に佇む煉瓦造りの美しい天主堂です。
アクセスがいい場所にあるとは言えない野崎島ですが、福江島から船を乗り継げばたどり着けるうえ『ほぼ無人島』なのに宿泊施設まである!ということで、泊りがけで探索してきました。

野崎島ってどこ?
17の島々から構成されている小値賀町の本島・小値賀島より東に2㎞の場所にある野崎島。
五島列島らしい、傾斜が急で険しい地形の島です。
野崎島にはかつて野崎・野首・舟森の三集落があり、多い時には約650人の人々が住んでいたそう。
今は島で唯一の宿泊施設・野崎島自然学塾村の管理関係の方々以外誰もおらず、ほぼ無人状態の島となっています。
野崎島の集落跡は、12資産で構成されている『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』に含まれており、また『小値賀諸島の文化的景観』として国の重要文化的景観にも選ばれている場所なんです。
野崎島へのアクセス
野崎島へ行くには、まず小値賀町の本島である小値賀島に行く必要があります。
そして小値賀島からは、1日2便(日によっては3便)出ている町営船『はまゆう』を利用します。
時刻表を含む詳しい情報こちらをご覧ください。
→ 行き方 | おぢか島旅 | 長崎県五島列島・小値賀町 (ojikajima.jp)
私は福江島からの出発だったので、唯一の直行便(一日一便)であるフェリー『太古』にて小値賀島に移動しました。
直行にこだわらない場合は、時間はかかりますが中通島を経由するルートや佐世保を経由するルートでもいけそうでした。
→ 太古 博多~五島を結ぶ定期フェリー | 野母商船 博多~五島航路「太古」 (nomo.co.jp)
旧野首教会
1797年(寛政9年)、五島藩からの依頼で土地開拓のために大村藩の外海地区から100名ほどの人々入植し、実はそのほとんどは潜伏キリシタンだったと言われているそうです。
その後、禁教と迫害の辛い時代を乗り越えたキリシタンたちは1882年(明治15年)に最初の木造の教会堂を建てます。
旧野首教会は、集落に住む17世帯の信者たちが貧しいながらも力を合わせて費用を捻出し、数年をかけて建てた本格的なレンガづくりの教会で、鉄川興助の設計・施行によって1908年(明治41年)に完成しました。
(前回訪れた青砂ヶ浦天主堂や江上天主堂なども彼の設計でしたね)
こちらの天主堂の建築にかかった費用はおよそ3,000円で、現在のお金に換算すると2億円ほどの価値があるそうです。
旧野首教会は野崎島のちょうど真ん中あたりに位置しており、宿泊施設である野崎島自然学塾村からも目と鼻の先の距離にあります。
旧野首教会
〒857-4709 長崎県北松浦郡小値賀町野崎郷
島で唯一の宿泊施設・野崎島自然学塾村

今回、ぜひとも野崎島で一泊したい!と思ったので『小値賀アイランドツーリズム』を通じて野崎島にある唯一の宿泊施設、野崎島自然学塾村の宿泊予約をしました。
最初、自分のメールのセキュリティ上の設定で、先方から送られてきていたメールが迷惑フォルダに入ってしまっており全然返信が来ないと勘違いしていたのですが、迷惑フォルダを確認すると予約フォームを送信したその日のうちには返信がきていました。
他にも色々と照会したのですが、毎回迅速で丁寧な返信があったので安心して旅程を組むことができ、大変お世話になりました。
→ 自然学塾村 | おぢか島旅 | 長崎県五島列島・小値賀町 (ojikajima.jp)
野崎島に行く前にしておくこと
旅行前には事前の準備が必要だということは言うまでもないですが、野崎島に行く際には特に、いろいろと気をつけなければならないことがあります。
行く前にやっておいた方がいいこと!
- 小値賀アイランドツーリズムのウェブサイト、特に『ご来島の前に』と『自然学塾村』のページをしっかりと読むこと
→ ご来島の前に | おぢか島旅 | 長崎県五島列島・小値賀町 (ojikajima.jp)
→ 自然学塾村 | おぢか島旅 | 長崎県五島列島・小値賀町 (ojikajima.jp)
ここに、必要な持ち物(食料やタオルなど)や服装についてしっかり書いてあるので、熟読して損はないでしょう!
野崎島(あるいは小値賀島)に行ってしまってからでは調達できないものは多いです。
時期によってはヌカカ大量発生してるかも
『ヌカカ』とは体長2ミリ程度の小さな吸血性の虫。
この時期はヌカカが野崎島で多く発生しているため、長袖・長ズボンで来ること、また虫よけスプレーを持ってきた方がいいことなどを事前に案内いただきました。
ヌカカが何かわからなかったので調べたら、恐らくこれはサンドフライ、、、刺されたら時差ですっごく腫れて刺された所が痒くなる虫のようだと分かりしばし硬直。
幸い効果的な虫よけスプレーがあるとのことだったので、福江島を出る前に調達して野崎島に持ち込み、滞在中はお守りのようにスプレーしまくっていました。
実際のスケジュール
今回、福江島発着の旅ではこちらのスケジュールにて動きました。
1日目
- 福江島から小値賀島に移動
フェリー『太古』 福江港 10:10 小値賀港 13:00 - 小値賀島から野崎島に移動
町営船「はまゆう」 笛吹港 14:30 野崎港 15:05 - 野崎島泊
野崎島自然学塾村
2日目
- 野崎島内散策
- 野崎島から小値賀島へ移動
町営船「はまゆう」 野崎港 7:25 笛吹港 8:00 - 小値賀島内散策
- 小値賀島泊
民宿 田登美
3日目
- 小値賀島から福江島に移動
フェリー『太古』 小値賀港 4:50 福江港 8:15
以下、一日目のスケジュールです!
あいにくこの日は曇りでした。
ちょっと写真がどんよりしていますが、雨が降らなかったのでよしとしましょう!
- 9:00虫よけスプレーをゲット
ヌカカ大量発生が怖すぎて、福江港に向かう前に威嚇のマツキヨにて虫よけスプレーを購入。
これ、本当に効果的で島にいる間はめっちゃヌカカに取り囲まれたにもかかわらず刺されることはありませんでした!おすすめできます。
created by Rinker¥738 (2025/05/20 11:51:56時点 楽天市場調べ-詳細) - 9:30福江港にてフェリー『太古』のチケットを購入
こちらが唯一の小値賀島への直行便!ということで、フェリー『太古』を利用しました。
フェリーは予約はしておらず、当日チケットを購入。
9:30までは当日券が売り出されないので、待っている間に鬼鯖もゲット。
これで野崎島での夕ご飯確保完了です。 - 10:10フェリー『太古』で福江島から小値賀島へ
こちらはいつ見てもため息が出るようなハリノメンド。
波が穏やかで美しいですね。 - 13:00小値賀港到着
小値賀港到着後、まずはターミナル内にある小値賀アイランドツーリズムへ。
野崎島自然学塾村へのチェックイン方法を尋ねると、まさかの『こちらでお願いします』との事。
何気なしに寄っておいてよかったです!1泊分の料金は3500円+税ですが、今回は全国旅行支援が使えたので少し割引になりました。
- 13:30KONNE Lunch & Cafe にてランチ
お刺身定食、900円。
お魚が新鮮でとっても美味しかったです。KONNE Lunch & Cafe
〒857-4701 長崎県北松浦郡小値賀町笛吹郷1537 - 14:30町営船「はまゆう」で小値賀島出発
小値賀港の手前にある笛吹港より出発。
片道おとな1名520円。チケットは船に乗り込んでから購入します。 - 15:05野崎島到着
途中、舟森集落跡を通り過ぎました。
小さいですが、白い十字架が見えます。
こんなにも急な山肌に集落があったなんて…ここに暮らしていた人々は大変な生活をしていたのでは、と想像します。こちらは、野崎港から見た野崎集落跡。
崩れ落ちた家屋とかろうじて残っている屋根、島に張り巡らされた電線、荒れ果てた神社と石の鳥居。
確かにここに住んでいた人々がいたのだと感じさせます。ここからは歩いて野崎島自然学塾村へ向かいます。
道すがら出会う、たくさんの鹿たち。
めっちゃこっちを見てきます…(何もしないよ!)旧野首教会が見えてきました。
- 15:15野崎島自然学塾村到着
野崎港からは写真を撮りながらゆっくり歩いても15分程度の距離でした。
この美しいビーチを見よ!
このあたりでめっちゃヌカカに襲われました、、焦った!
- 15:20本日のお宿
野崎島自然学塾村の内部はこんな感じで、めちゃめちゃ学校です。
初めて来たのに懐かしささえ感じる廊下。私のお部屋。
てっきり雑魚寝だと思っていたので、個室が使えるなんて嬉しいサプライズでした。布団は押し入れに入っているので自分で準備するスタイルです。
かなり快適♪私は使いませんでしたが、天井にはファンもついていました。
- 15:30旧野首教会へ
こちらは野崎島自然学塾村の敷地から見上げた旧野首教会の様子。
歩いて数分の距離でした。
旧野崎教会は、内部天井が落下してしまったため現在立ち入り禁止となっていました。しかし雨が降っていない場合などは窓や扉が解放されており、中を覗くことができます。
外から差し込んだ光でステンドグラスの美しい模様が床に映し出され、幻想的な風景を醸していました。
旧野首教会を後ろから見た図。
このような場所に資材を運ぶだけでも大変だっただろうなぁ。こちらは野崎島自然学塾村の様子。
かなりしっかりしたグランドですね。薄暗くなってくるとイノシシが出るそうなので、早めに学校に戻ります。
- 18:00夕食
ちょっと早いですが、お腹が空いたので持ってきた鬼鯖をいただきます!
野崎島には売店やレストランは一切なく、この島に滞在している間は自炊(もしくは持ち込み)する必要があります。こちらは、『食堂』。
水などの飲み物だけは買えるようでした。
わお。アサヒビールってこんな活動もしていたのですね。
ますます好きになりそうです。 - 19:00お風呂
こちらの施設にはシャワーがあり、リンスインシャンプー・ボディソープが備え付けてありました。
タオルはないので、持ってきたものを使います。 - 20:00就寝
あまりに早いですが、することもないので早寝です。
おやすみなさい!
まとめ
野崎島に行く数日前は海が荒れていたため船の欠航などもあり不安でしたが、この日は天候にも恵まれたおかげで無事予定通りに野崎島にたどり着くことができました。

長崎に来てびっくりしたことのひとつに『船が時刻表通りに運行されている』というのがあります。
こっちに住んでいる人からしたら当たり前なのかもですが、普段船を利用することがない私からすると驚きでした。
今回の旅行では船を利用するシーンがとても多く、毎回『ちゃんと動いてくれよ!』と念じていました。幸い、一度も船がでなくて困ったことはなかったのでありがたいこと山の如しです。
次の日は野崎島から小値賀島へ移動します!
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
素敵な一日をお過ごしください。
これがなかったら本当に体中ヌカカに喰われていた可能性大。。。
参照:
おぢか島旅 | 長崎県五島列島・小値賀町 | 小値賀島の島旅コンシェルジュ:おぢかアイランドツーリズムの情報サイト:古民家ステイ・野崎島(おじか島) (ojikajima.jp)
*本ブログの内容は、2023年5月時点のものです。最新の情報は、各ウェブサイト等をご確認ください*