少しずつ温かくなってきた今日この頃、楽しみにしていた奈良へ行ってきました。
目的はこの時期にしか行われない、酒蔵見学会に参加するためです。
1月頃のある日、普段あまり見ないインスタをたまたま見ていたら『毎年2月~3月の春鹿 酒蔵見学会受付開始しました!』という投稿を発見し、すぐに旅程を決めました。
幸い開催日はすべて土曜日だったので弾丸でも比較的行きやすかったのがよき。
今回の酒蔵見学は限定酒のお土産付きだったので、ちょっとお得感も感じる体験でした。

以前訪れた、ワンコイン利き酒体験のお話はこちら↓
今西清兵衛商店の酒蔵見学会

昨年の秋に奈良の今西清兵衛商店を訪れ、ワンコインきき酒体験をやってから早6か月。
今度は毎年2月・3月恒例だという酒蔵見学会に行ってきました。
イベント | 春鹿 酒蔵見学会 |
開催日 | 2024年2月・3月の土曜日 |
定員 | 各回20名 |
料金 | 2,200円 |
参加特典 | 春鹿 酒蔵見学限定酒 720ml×1本 |
予約方法 | 公式通販サイトのみ |
駐車場 | あり (蔵の目の前にもコインパーキング有) |
酒蔵見学会当日の様子

当日は酒蔵見学が始まる10分前に到着しました。
試飲スペースの天井の梁があまりにも立派で、感心しながら眺めているとあっという間に開始時間に。
受付を済ませるとこちらのヘアネットを渡され、頭に装着したら酒蔵見学のスタートです!

こちらは浸漬タンク。
大きな槽に洗ったお米をつけ、吸水させる工程で使用される機械です。
浸漬にかける時間はお米の種類、精米されてからの期間、管理状況、気温、湿度やねらう酒質などによって変わってきます。

浸漬タンクの隣にあるのは蒸米器。
日本酒を醸すためのお米は炊くのではなく、熱い蒸気で蒸し上げることでお酒を造るのに最適な水分量を含んだものになるのだそうです。
少量のお米を蒸す際は、昔ながらの甑を使用することもあるとおっしゃっていました。

お次は麹室。
外に貼られていた写真をもとに、中でどのような作業が行われるのかご説明いただきました。

そして、仕込室。
写真に写っているオレンジ色のホースの中には冷たい水が流れており、仕込タンク内の温度を一定に保っています。
タンク内の温度管理を徹底することで、発酵のスピードを調整することができるのだそうです。


この日はとっても活発に発酵が進んでいるタンクがあり、ぽこぽこと次から次へと気泡が浮かんでいました。
こんなに間近で発酵の様子が見られるのも酒蔵見学の醍醐味ですね…!
こちらの酒蔵で使用されているのはヤブタ式圧搾機。
大きなアコーディオンのような形をしており、迫力のある様子です。

こちらのサーマルタンクの下部についているのは『呑みきり』のもとである『吞み口』。
『吞み口』はタンクの下の方に2個付いている円柱状の口(栓)のことです。

『呑み切り』は熟成中の日本酒のクオリティを飲んで確かめること。
日本酒の沈殿物はタンクの底に沈むため、状況に合わせて上下の吞み口を使い分けるのだそうです。

そして最後に訪れたのはパッキングゾーン。
瓶の洗浄や瓶詰め、ラベリングの作業、そして出荷準備が行われていました。
梱包済みのお酒の中には海外に向けて発送されるものも多々あり、春鹿の人気ぶりがうかがえました。

これにて酒蔵見学は終了です。
体験についてのアンケートに答えてお土産を受け取り、この日はお開きとなりました。
所要時間は約50分。
サクサクと蔵内を案内していただきながらも各スポットにて参加者からの質問を受け付けてくださったので、とっても有意義な時間となりました。
お土産『春鹿 酒蔵見学限定 無圧搾り 純米吟醸 生原酒』

今回の酒蔵見学の費用に含まれていたお酒は『春鹿 酒蔵見学限定 無圧搾り 純米吟醸 生原酒』。
販売はしておらず、酒蔵見学に参加しないと飲めないものなのだそうです。
鮮やかな紺色のラベルが印象的な限定酒のデザインは、拡大された鹿のロゴのバックグラウンドに何重ものお米のシルエットが描かれたもの。
重なり合う輪郭のデザインで、お酒が時間をかけて出来上がっていく様子が表現されています。
無圧搾りとは
『無圧搾り』はお酒を搾る過程で機械による圧力をかけずに絞る方法。
圧搾機に流し込む勢いで自然にお酒が出てくるため、最もフレッシュで香り高く、透明感の高いお酒となります。
余分な力を使わずに絞られた、ええとこどりのお酒ですね。
自宅に戻って開栓するのが楽しみです♪
まとめ

今西清兵衛商店では機械化されているプロセスも多く、人がやらなくても良い部分は機械に任せて、人は人の手でしかできないことを重点的に行うといった効率的なお酒造りが行われている印象を受けました。
見学中お話を聞いていて一番印象的だったのは『お酒造りの作業のほとんどは掃除』とおっしゃっていたこと。
お酒造りの工程で使用するすべての道具の衛生面を保ち、臭いや汚れを取り除くことはクオリティの高いお酒を造るには欠かせない作業なのだそう。
言われてみればなるほど…と、ハッとした瞬間でした。
なんだか、自宅で料理すると調理の時間よりも洗い物の時間の方が長いのに似ているなぁ。

最後に、お土産に酒粕を…!
と思っていたのですが、今西清兵衛商店では酒粕の販売はしていなかったのが少し残念でした。
ちなみにこちらの酒粕は、なんと負傷や病気を理由に保護された奈良の鹿たちのエサとして使用されることもあると伺いました。
最初はあやしい白い塊(酒粕)に近付く鹿はいなかったものの、時とともに酒粕の美味しさに気づいたようで今ではとっても好評だとか。
アルコール度数が高いイメージの酒粕ですが、栄養価が高い点でもエサとして優秀なのだそうです。
グルメな鹿やな。
それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。
日本酒のつくり方についてはこちらにまとめています↓
参照:春鹿 公式サイト|日本酒発祥の地「奈良」より世界へ羽ばたく。株式会社今西清兵衛商店 (harushika.com)