折角与論に来たのに天気が良くない!
そんな日でも楽しめる施設を見つけてしまいました。
与論町立図書館です!
普段から図書館が好きでよく本を借りるのですが、今回の与論滞在中も例に漏れず利用させていただいていました。
与論町立図書館

与論町立図書館は茶花の中心部にあり、与論町役場より300mの場所にあります。
この図書館の一番いいところは『与論島』『奄美群島』『鹿児島』にフォーカスした資料がまとめて陳列されているところ。

最初に訪れたときは与論十五夜踊りについて知りたかったので、大変勉強になりました。


図書館内には読書スペースもあるので、空調のきいた場所で休憩がてら本を読めるのが最高でした!
開館時間 | 火曜日~日曜日、10:00~18:30 |
休館日 | 毎週月曜日・金曜日 / 年末年始 |
利用者カード | 『利用者カード交付申請書』記入後即時発行 |
備考 | 何冊でも無制限で2週間借りられます |

近所の図書館では100人待ちとかだった『成瀬は天下を取りに行く』『成瀬は信じた道をいく』もここでは貸出カウンターに飾ってあり、待ちなしで借りられそうでした。
一通りのジャンルの書籍はあり、児童用書籍も多数あったので家族連れで訪れても楽しめると思います。
与論滞在中は雨が多かった
亜熱帯性気候は雨が多い場合がほとんどだと言われていますが、与論島は比較的雨が少ないのが特徴なのだそう。
しかしながら私が滞在していた期間中は季節の変わり目だったためか雨が多く、雨天の際にできるアクティビティが限られていたため図書館のお世話になることが多かったです。
雨の日におすすめされるアクティビティには赤崎鍾乳洞、歴史民俗資料館サザンクロスセンター、カフェ巡りなどがあります。
また各種スポーツが楽しめる砂美地来館という施設に行く方もいるみたいでした。
サマセット・モーム『月と六ペンス』 / 中野好夫訳

今回与論町立図書館で読んだ本の中で一番心に残ったのがサマセット・モームの『月と六ペンス』に出てくる一節です。
いったい人間の中には、ちゃんとはじめから故郷を決められて生まれて来るものがあると、そんなふうに僕は考えている。
たとえなにかの拍子で、まるで別の環境の中へ送り出されるということがあっても、彼らはたえず、まだ知らない故郷に対してノスタルジアを感じている。
生まれた土地ではかえって旅人であり、幼い日から見慣れた青葉の小径も、かつては喜々として戯れた雑踏の町並みも、彼らにとっては旅の宿りにすぎない。
その肉親のあいだにおいてすら、一生冷たい他人の心をもって終始するかもしれないし、また彼らが実際知っている唯一のものであるはずの風物に対してすら、ついに親しみを感ぜずじまいで終わってしまうという場合もある。
よく人々がなにか忘れがたい永遠なものを求めて、遠い、はるかな旅に出ることがあるが、おそらくこの孤独な不安がさせるわざなのだろう。
今まで色々な国や都市から一般的には僻地と言われるような場所へもたくさん訪れ、暮らし、働いて、それでも未だに自分の探している場所にたどり着けていないような感覚を持って生きていますが、なんだかこの本を読んで昔から自分の中にくすぶっていた焦燥感のようなものに説明が与えられた気がしました。
衣食住に困ることなく、好きに使えるお金もあって、自分がしたい(大抵のことは)何でもできる環境で、周囲の人々にも恵まれていて。
こんなに満たされたはずの環境で一体何が足りないんだろう?
生まれる場所を間違えたのだとしたら、なんとなく説明のいくような。

一般的な世の中のルールの中では許容されない行き方を貫くストリックランドは個人的には関わりたくない存在だなぁと思いながら読み進めているうちに、 ボロボロになりながらも自分の魂が必要としているものを無心に追い求める彼にある種の愛着を感じ始めていました。
月と六ペンスは十代の頃に読んだ記憶がありますが、そのときは『ゴーギャンってヤバイ奴やな』的な印象を受けた覚えが強く、本って読むタイミングによって受ける印象が全然違うんだなぁと改めて感じたのでした。
まとめ

与論滞在中の雨で何もできない時に、ちょっとした観光の隙間時間に、はたまた茶花で少し一休みしたいときに。
空調のきいた与論町立図書館で読書をしてみてはいかがでしょうか。
素敵な本との思わぬ出会いがあるかもしれません。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
あなたにとって来たる一年が実りある素晴らしい年でありますように。
参照:
与論町立図書館