青春18きっぷは5回つづりの切符。
4回分は東京ー滋賀間の2往復に使用する予定だったものの、余った1回分については特に予定がありませんでした。
友人でもいれば何人かでシェアとかできるんだろうけど、私にそんなものは…ゴホゴホ。
という事で、滋賀滞在中にリサーチした結果日帰りで広島まで行けるらしいことに気づき、日本3大酒処である広島・西条にて酒蔵めぐりをすることにしたのです。

日本3大酒処って?
一般的に広く知られている日本3大酒処は灘(兵庫県)、伏見(京都府)そして西条(広島県)。
酒処とは、良酒の生産地として知られている地域のことです。

一説では、西条ではなく福岡県久留米市を含めることもあるようですが…。
今回は西条でカウントしています!
西条のお酒の特徴は口当たりが軟らかく、香りが高く濃醇な味わいにあります。
実は広島県の水はミネラル分の少ない軟水で、日本酒を醸すには向いていなかったのだそう。
しかし明治31年(1898年)に広島の酒造家・三浦仙三郎によって軟水で日本酒の旨味を醸す独自の醸造法である『軟水醸造法』が確立されました。
軟水醸造法とは

軟水醸造法とは時間をかけて麹菌を蒸米の内部までいきわたらせることで、酵母の発酵に必要な栄養分が少しずつ溶け出る環境をつくりだします。
そうすることで米の糖化が進み、次のステップである発酵が促進されるんだそうです。
軟水醸造法は時間をかけてしっかりと麹を育てることによって、使用される仕込み水が軟水でもしっかりと発酵する、おいしい日本酒が醸せる技術なのです。
今回のルート:大津から西条への時刻表
大津から西条までの日帰り時刻表ですが、いつも通りジョルダンのお世話になりました。
もちろん始発での出発です!

いやぁ…この距離(358.8㎞)を乗り換え3回で移動できるってどういうこと?
快速なので新快速より1時間程度かかる時間が長いですが…さすがJR西日本です。
冷静に考えるとこの日電車で過ごす時間は約12時間。
首が死にそうなのでネックピローを持って行ってきました。
帰りは、終電ではなく2時間ほど余裕をもって午後4時台に現地を出発しました。

帰路は往路より約1時間短い約5時間。
なんと、驚くべきことにこれは三原での乗り継ぎ時間50分を含んでいるのです…!
西条到着!

そんなこんなで、12時前には広島・西条に無事到着することができました。
約6時間座っていた私のお尻は限界に達していたので、気分転換に三ツ城古墳まで散歩します。
三ツ城古墳(みつじょうこふん)

三ツ城古墳はJR西条駅から約30分とちょっとしたお散歩に最適の距離にある古墳です。
こちらは広島県東広島市にある3基の古墳の総称で、1号墳は広島県内で最大規模の古墳だそう。
古墳時代中期の5世紀前半に造られたものだそうです。

1号墳はザ・古墳という形(前方後円墳・鍵穴みたいな形のやつ)をしており、古墳見に来たなという気持ちにさせてくれます。

こちらは東広島市立中央図書館の横にあり、図書館開館日はインフォメーションセンターで古墳の成り立ちや歴史について学ぶことができます。
こちらは埴輪のレプリカたち・動物シリーズ。
可愛らしいサイズ感です。



もち吉
三ツ城古墳から西条酒蔵通りに向かう途中、やたら繁盛している商業施設があったので、うっかり吸い込まれていくとおかき屋さんでした。

その名も、もち吉…そして広島ではなく福岡のお店だそう。
そんなことは知らなかった私は、おかきを大量購入したうえ購入者にはお水がプレゼントされる『水の日』だったので、ちゃっかりお水を貰って店を後にしました。

西条酒蔵めぐり(←本題!!)
お散歩も終え、血の巡りも良くなったタイミングで西条酒蔵めぐりに参戦です。
この日は土曜だったため、良い感じに人がいて活気がありました。

- 13:00白牡丹酒造(お休み)
残念ながら、1軒目はお休み。
こちらの酒造の蔵の前にある湧き水の給水所には、地元の人々が列をなしてお水を汲みに来ていました。なんでも、このお水でお料理するとおいしいのだとか。
こんな場所が近所にあるなんて羨ましい限りです。 - 13:10西条本町歴史広場
西条酒蔵通りにちなんだ歴史と文化を学べる公園で、ちょっと休憩するのにいいスポット。
私はここで初めて軟水醸造法という言葉を知りました。端の方にベンチが置いてあるので、展示物を読んだ後はひと休みすることができます。
広場にはのん太のラッピングポストが。
なんと愛らしい! - 13:30西條鶴醸造
地名の『西條』と、めでたい『鶴』を合わせ、『西條鶴』と命名されたこちらの酒蔵は、明治37年(1904)に創業されました。
西條鶴酒造の前にも地下水の給水スポットが。
中に入ると酒造りに使用する器具などが数点展示捨てあり、酒米も飾られています。
直売所にも入ろうとしたのですが混み合っていたので、後で戻ってくることにして次の酒蔵に向かうことにしました。(そして後にこの決断を大いに後悔することになります…)
- 13:40賀茂鶴酒造
明治6年(1873)創業の加茂鶴酒造は西条を代表する酒蔵で吟醸酒のパイオニアとも呼ばれています。
『大吟醸 特製ゴールド賀茂鶴』はまだまだ醸造アルコール等を添加する三増酒が多く出回ってた時期に発売され、世間に吟醸を広めるのに大きく貢献した酒蔵のひとつだそう。こちらの蔵は直売所の反対側が大きな資料館のようになっており、エンターテイメント性の大変高い施設になっていました。
有料試飲も充実しており、三種飲み比べセットがあったので試したかった…がここも試飲カウンターが埋まっていたので先に別のところに行くことにします。
- 14:10福美人酒造
大正から昭和にかけて日本全国の杜氏が福美人酒造の優れた酒造りを学ぶために訪れたため、別名『西條酒造学校』とも呼ばれていた福美人酒造。
こちらでは落ち着いた雰囲気の中、『ひめあま』(200円)を試飲しました。
白麹を使用しているため、クエン酸が多くすっきり爽やかなのどごし。
更に、甘味を引き出すためにアルコール度数が上がる前に甘酒(麹+米)を加えているんですって。仕上がりの日本酒度はマイナス16度。
美味しかったです。こちらの大迫力の赤レンガの煙突は西条で一番高いんだそうです。
- 14:30賀茂泉酒造 酒泉館
大正元年(1912年)創業の賀茂泉酒造は、西条の酒蔵の中では一番新しい蔵。
三増酒が主流だった昭和40年代から米と米麹だけの酒造りをしてきた、純米酒のパイオニア的な酒蔵です。
こちらでは、来る前から絶対飲みたかった5種飲み比べセット(1000円)をオーダーしました。
歩き疲れた体に染み渡る、酸味が強く重みのあるコクと味わい…
他にお客さんが来なかったのをいいことに、30分ほどゆっくりさせていただきました。 - 15:00亀齢酒造
1868年創業の『亀齢』酒造は長命と永遠の繁栄の意をこめて名づけられたそう。
甘口系のお酒が多く醸される西条において『すっきり辛口』にこだわっている蔵です。
直売店兼お土産物屋さんの万年亀(まねき)ショップには、愉快なデザインの亀モチーフのグッズも多く売られており、独特の雰囲気のあるお店でした。
- 15:30山陽鶴酒造
口当たりが良く、飲みやすい、甘口の酒を追求する山陽鶴酒造は大正元年に創業。
こちらでは、3種飲み比べ(500円)をいただきました。
試飲中、JALのロゴっぽいのがラベルにあったので『JALにお酒を出されてるんですか?』とお店の人に聞くと、代わりに隣で試飲されていた方が『これが山陽鶴さんのロゴなんですよ』と教えてくださいました。
確かに、よく見るとロゴの鶴の上の部分が山になっていてJALのロゴではないですね。。
完全に地雷を踏んでしまったっぽく、お店の方は親切な隣の方に『しょっちゅう聞かれるんだけどね、いちいち答えるのが面倒くさくって』と言っておられました。笑
勉強不足でした、すみません!!
- 16:00西条駅
大津に戻る終電は18時台ながら、少し余裕をもって早めに戻り始めることに。
お疲れさまでした!
西条で見た素敵なマンホールの数々。
凝ってるしカラフルで美しい…!




帰りの電車が辛かった
帰りは往路に通った路線をただただ戻ります。
大阪辺りから、座りっぱなしで膝がすっごく疲れてしまいました。
乗り換えが少ない=『楽』ではないのかも…!?
なんて思ったりうとうとしている間に、22:40分ごろ大津着。
お疲れさまでした、自分。

さて、今回は青春18きっぷを使って、滋賀・大津から広島・西条まで日帰りで訪れてみました。
できないことはない!
しかしながら、あまり時間に余裕がなくて忙しかったというのが正直な感想です。

最初にスキップしてしまった『西條鶴酒造』『賀茂鶴酒造』は時間切れで再訪できず。
すこしばかり心残りはあるものの、トータルで見ると行ってみたかった西條に行き、雰囲気を味わえたこと、そして全国でも名高い西条のお酒を味わうことができてとっても勉強になりました。
行って良かった。
そしてまた行きたいです!
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。
参照:
日本酒の8割は「水」- 軟水・硬水の違いと日本酒の味わいへの影響を学ぶ | SAKE Street | プロも愛読の日本酒メディア