<滋賀の地酒>美冨久酒造の『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』を飲んでみた

日本酒のこと

山廃純米といえば酸味の効いた濃醇のお酒のイメージで、個人的には秋から冬にかけてが最もおいしく感じると思っています。
その理由は味わいの濃さ、複雑さ、重さ…。

暑いときはこってりした味のものよりもさっぱりしたものが欲しくなりませんか?

そんな理由で、今までは積極的に山廃系のお酒を夏に飲むことはしていませんでした。

しかしながら今回はラッキーなことに、滋賀県のスーパーで『暑い気候でも美味しく飲める山廃純米酒』を見つけてしまったのでご紹介します

今回出会ったのは、滋賀県に蔵を構える美冨久酒造のお酒。
そう、2024年7月に行ってきた『第25回 和酒フェス in 中目黒』にて出店していた酒蔵です↓

『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』

美冨久酒造100周年記念酒を発表する際、公募で選考漏れしてしまった名前『Churyumov(チュリュモフ)』。
これは1969年に発見された秒速32.9kmの速度で宇宙空間を移動するチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のことなのだそうです。

32.9㎞…3.29…。みふ…く…?
なんという遊び心。
偶然にも美冨久につながることに気づいた人すごいと思う。。

『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』は『みふく=329』の語呂の良さから、美冨久酒造の定番商品として新たに企画されたお酒なんですって。

北海道産酒米『彗星』

日本酒造りでは、酒米のタンパク質が多すぎると雑味の原因になると言われています。
北海道産酒米の『彗星』はタンパク含有量の低さが特徴で、出来上がったお酒は淡麗な味わいになるのだそう。

何故北海道の酒米を?

と若干興味が湧いていたんですが、チュリュモフ・ゲラシメンコ”彗星”に因んで北海道産の酒米『彗星』が選ばれたのにユーモアを感じます。

『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』のスペック

酒米北海道産 彗星100%
精米歩合67.1%
使用酵母
日本酒度3.1
酸度2
アミノ酸度

67.1%という不思議な精米歩合は、もちろん32.9(みふく)絡み

『彗星』を32.9%磨き、山廃仕込で醸された『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』は嫌味のない山廃らしさを追求したお酒なのだそう。

スペックだけ見ると、濃醇辛口な味わいのお酒になっているようなので楽しみです。

『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』テイスティング

爽やかでフルーティーな香りが、夏なのに山廃?という疑問をく吹き飛ばしてくれます。
メロンのような熟れた果物の香りがたまりません。

今回は夏の猛暑にふさわしいお酒らしく、冷酒で飲んでみました。

口に含むと、瑞々しい葡萄のような甘味がおだやかに広がります。
キュッと感じる酸味は強め。

重すぎず、でも奥行きのある味わいのお酒です。
いかにも山廃という感じではない、汗をかくような気候でも飲みやすい、さっぱりとした後味のお酒だと感じました。

続いて常温で。

冷えていた時は感じなかった、熟成を感じさせるチーズのような香りに気づきました。

冷えた状態に比べると、格段に穀物感を感じる旨味が増しています。
甘味は変わらずおだやかで、きゅきゅっと舌に訴える酸味も健在。

加えて、冷酒の時はそこまで存在感を感じなかった渋味・苦味も頭を現しています。
全体的に冷酒で飲んだ時よりも山廃感が強まった気がしました。

冷酒でも冷やでも、それぞれに美味しい。

しかし、個人的に『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』の冷やはあっつい昼間に飲むよりも、クーラーの効いた涼しいところで(もしくはもっと涼しくなってから)味わいうのが向いている気がします。

あえて夏の暑さを感じながら飲むならば、私は冷やして飲みたいと思いました。

『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』を飲んでみて

『みふく 山廃純米 チュリュモフ 329』は私が今まで飲んだ美冨久酒造のお酒の中では辛口の部類に入るお酒でした。
夏に山廃…?とも思ったものの、どちらかというと端麗な味わいで、つくりを気にしすぎず買ってみて大変満足しました。

特に気に入ったのは、優しい甘味、お米を感じる旨味、そして山廃らしさを感じる酸味。
そして深い味わいにもかかわらず冷酒で飲んだ時に味わえるすっきり感です。

ロックにしても美味しいかも?
という事で大きめの氷をつくって飲んでみましたが、せっかくの味わいが薄まって(それでも十分においしいんだけど)勿体ない気がして、最終的にはシンプルに冷酒で飲むスタイルに落ち着きました。

まだまだ暑い日が続きそうですが、夏に飲める山廃は貴重!
好みのお酒に出会えてめっちゃ嬉しい滋賀旅となったのでした。

それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください!

美冨久酒造の夏のラインナップにはロックで飲めるお酒もあり、重宝しています↓
これはなぜか、ロックで飲んでも勿体ない感じがしないの!
2024年の I’m Sake Rock はラベルが新しくなっていて更に愛らしい感じになっていました♡

これは2023年のやつ

参照:
近江の美し酒「みふく」/美冨久酒造株式会社 (mifuku.co.jp)
彗星|品種|北海道のお米 (hokkaido-kome.gr.jp)

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