石垣島滞在中に3つの酒蔵見学に行った中で、とっても印象に残っているのがこちら池原酒造所での工場見学です。
こちらの工場見学の魅力は『醪が発酵しているところをじっくり間近に見られるところ』!
また、フレンドリーでホスピタリティが溢れる酒造所のスタッフの方の丁寧な案内など、とっても楽しく勉強になる時間を過ごすことができ、石垣島に来たらアクティビティのひとつとしてとっても推せる場所です。
池原酒造所

池原酒造所は沖縄県は石垣島の中心部から徒歩で訪れることができる、泡盛の酒造所です。
1951年の創業以来、昔ながらの手作り製法で作れる量だけを製造しているそう。
銘柄は『白百合』と『赤馬(あかんま)』のみ。
添加物は一切使用せず、100%天然醸造にこだわった泡盛造りをしています。
池原酒造所
〒907-0022 沖縄県石垣市大川175
工場見学

事前に工場見学の予約はしておらず、ふらりと観光途中にお邪魔しました。
しかしながら、見学案内は1組のみ・1組5名までと決まっていますので、心配な方は事前に予約した方がよさそうです。
店先の看板には『見学・試飲できます!!』の文字が。
中に入るとスタッフの方が『今日は暑かったでしょう、まずお水飲んで涼んでくださいね』とお水をくださいました。
汗だくになった体に冷たい水がじんわりと染み渡るよう。

- 黒麹について
こちらで使用されている黒麹菌は『イヌイ株』。
沖縄県内でイヌイ氏によって発見された黒麹菌の株なのだそうです。 - ラベリングの様子
売店から醸造エリアに移動する間にボトルにラベルを張る作業をしている部屋がありました。
お酒造りだけでなく、ラベル貼りも人の手でひとつひとつ行われているんですね。 - 直火釜
こちらは石垣島の泡盛造りに欠かせない直火釜。
蒸米・蒸溜の際に使われるもので、昔は薪をくべて使っていたそう。
現在はガスを使用しているそうです。直火釜は酒造所によって特注のオリジナルのものを使用しているとのことで、それぞれ作りが違うんだとか。
- 蒸米器
こちらの蒸米器は、直火釜から蒸気が送られることによってお米が調理できる仕組みになっています。
(奥に見えているのが直火釜です。)池原酒造所ではお酒造りに必要な器具はすべて創業当時から同じものを使い続けているとのこと。
こんな蒸米器は初めて見たのでびっくりしてしまいました。
これも約70年の間、壊れたり調子が悪くなった部分を修繕することで今でも使えるんだそうです。すごすぎる。。 - 池原酒造所の守り神
こちらの猫ちゃんは1年中泡盛造りを見守ってくれています。
人間でも暑い空間で落ち着き払ってリラックスしていました。とっても人懐っこくて愛らしかった!
- 製麹室
蒸米器の奥には製麹室があります。
こちらではまさ黒麹菌の種付けが終わった米麹を寝かせているところで、ちらりとその様子を見せていただきました。
よく育っておくれ。
- 醪
製麹室の隣には若い醪が。
こちらは比較的最近仕込まれたもの。まだ少し水っぽい感じがあります。蓋もなし!フルオープンで発酵していました 続いて、更に奥にあるのは中理ドロッとした感じの醪。
この蔵では、驚いたことに『ぽこっ…ぽこっっ』と活発に醪が発酵している様子が間近で見せてもらえるんです!
黒麹菌はかなり腐敗に対抗する力が強いため、蓋をせずに放っておいても頑張って発酵し続けてくれるうえ沖縄の高温多湿の気候にも強いとのこと。確かに、この空間には空調はなくめっちゃ暑かった。。
とっても頑張り屋さんの菌なんですね。蓋もないので、見放題。 私があまりに感激していると、スタッフの方も『醪の発酵が普通に近くでみられるのはここだけだと思いますよ』と笑っていらっしゃいました。
- 瓶の洗浄機
池原酒造所にある器具、すべてがレトロで面白い。
こちらは瓶の洗浄に使用する機械だそうです。
琉球泡盛の醸造方法についてはこちらをご覧ください↓
泡盛試飲
工場見学のあとは、試飲タイム!
こちらでは赤馬・白百合・チョコレート専用泡盛・Shirayuri イヌイ菌仕込44度(右から4本分)の泡盛の試飲をさせていただきました。

まず最初は『白百合』、そして『赤馬』を。
石垣では祝いの席などで唄い踊られている、赤馬と人との愛情深いお話の民話『赤馬節』にちなんで名づけられたそう。

白百・赤馬ともに、かなり独特の風味があります。
土っぽい香りを味に表現しなおしたような。
赤馬はアルコール度数25%と泡盛にしては低め。
白百合はアルコール度数30%で甘味が強く、結構好き嫌いが分かれそうな味かなと思いました。
最後に飲んだのはチョコレート専用泡盛。

こちらは『まずくて飲めん!』と30年ほど放置されていた泡盛を復活させたものだそう。
独特のオイリーな風味とチョコレートが絶妙にマッチする、ということで売り出すことにしたんだとか。
確かに言われてみればチョコレートの甘さ&油っぽさがこの泡盛と合うような。
ひと口飲むと胸いっぱいになる感じの濃厚なお味です。
万人受けする感じではなく、通好みなのかなと思いました。
お土産に白百合をお買い上げ
試飲の結果、一番応用が利きそうな『白百合』をお買い上げしました。
こちらは水割りで飲むとさらに甘味が際立って美味しい。
まず最初に気づいたのは大地の香り。
なんていうか、土。
聞くところによると、泡盛界ではクセの強いやつとして名を馳せているのだそうです。
味わいは若干オイリーさを感じる風味、淡い甘味、さっぱりした後味。
ほかの泡盛とは全然違う独特な癖のある味わいながら、不思議なことに慣れてくるとそこまで気にならなくなってきます。
そのうち『泡盛は白百合じゃないと飲めないなぁ』ってなっちゃうのかしら。

緑のやちむんは石垣島でゲットしたお気に入り
池原酒造所の工場見学の魅力は『醪が発酵しているところをじっくり間近に見られるところ』!
外からの雑菌などを持ち込ませないため隔離されていることが多いので、発酵中の醪を見る機会なんてそうそうないですよね。
とっても貴重な経験ができたうえ美味しい泡盛をゲットでき、石垣での棚しい思い出がひとつ増えたのでした。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。
