<ただいま日本酒勉強中>酒造好適米ってなに?日本酒の原材料、酒米について

日本酒のこと

今まではただ飲むだけだった日本酒。
でもどうせ飲むなら、少しだけでも詳しくなったほうがお酒を楽しめるかも。

そんな思いでちょっとずつ日本酒についてかじっているところです。

今回は日本酒の主原料のひとつである『酒米』についてです。

酒米とは

日本酒の主要な原料であるお米、酒米(さかまい)
これって実は私たちが普段食べている食用米ではなく、日本酒造りに適した品種の『酒造好適米』のことなんです。

酒米は食用米に比べて粒が大きく、お米の中心部に『心白(しんぱく)』という純粋なでんぷん質に近いため白く見える部分があります。
この心白はでんぷん質が少ないため、麹の菌糸が内部まで入り込みやすいという特徴があるそう。

またたんぱく質の保有量が少なく溶けやすいうえ、アルコール発酵が進みやすいという日本酒造りにはうってつけの特徴を持っています。

食用米と酒米の主な違い

  • 吸水性が高い
    仲間で水分が吸収されるので蒸米の内側がやわらかくなり、麹菌が繁殖しやすくなる
  • 心白が大きい
    日本酒造りに必要な部分が多い
  • たんぱく質が少ない
    日本酒をつくるうえで、たんぱく質は雑味の原因となる
    (そのため精米でお酒にしたときに雑味になりやすい表面の部分を磨く)
  • 醪に溶けやすい
    蒸すとお米の内側がやわらかくなり、醪に溶けやすくなるためスムーズに発酵する
  • 米粒が大きい
    大粒のお米は表面を磨いても割れにくい
  • 糖化性がよい
    でんぷん質は発行前に糖化する必要があるため、スムーズに糖化できるモノは酒母が管理しやすくなる

麹米・酒母米・掛米

お酒造りに使用されるお米には麹米・酒母米・そして掛米に分けられます。

麹米
(こうじまい)
酒母米
(しゅぼまい)
掛米
(かけまい)
使用比率20~23%7%70~73%
*酒母米を掛米とみなすこともある

麹米の比率は全体の20%程度ながら酒質に及ぼす影響は50%以上といわれており、品質がとても重要。

酒母米は酵母を増やす行程で初期から後期にかけてゆっくりと十分に溶けるお米がよく、掛米は酵母の発酵速度に合わせたスピードで溶解し、最終的に十分消化されるものがよいとされます。

また掛米は原料の約7割を占めるため、雑味のもとになりやすいたんぱく質含有率が低いものが好まれます。

日本酒造りでよく使われている酒米

酒米には品種によって特徴があり、蔵によってどんな味わいの日本酒を目指すかで酒米を使い分けます。

現在栽培されている酒米の品種は100種類ほどあり、それぞれ違う特徴を持っており、同じ品種でも作付け地域や気候によって品質が異なります。

お酒の名前に酒米の品種名が付けられることもあるほど、お酒造りにおいて酒米は重要な役割を持っているんです。

山田錦
(兵庫)
おそらく最も有名な酒米。
米粒、心白が太く、大吟醸などを仕込むときに使用されることが多い。
兵庫県の三木市や加東市周辺の特A地区で栽培されたものは
特に高品質とされている。
吟醸酒によく使われ、スッキリとした味わいになる。
雄町
(岡山)
岡山県を代表する品種で、日本最古とされている酒米。
しっかりと濃厚な米の旨みとコクのある味わいが特徴的。
高級品種のひとつ。
五百万石
(新潟)
昭和23年に新潟県で生産高500万石を超えたことで命名された北陸の酒米。
酒造好適米の中でも日本一の作付面積を誇る。
淡麗ですっきりときれいなお酒になる。
出羽燦々
(山形)
山形県で開発された酒米。
水分を吸い込みやすい軟質なお米。
味に幅が出てキレのあるさわやかな飲み口になる。
美山錦
(長野)
酒米として第3位の生産量を誇る代表品種。
ふくよかで優しく、米の味が残る日本酒が出来上がる。
長野県を中心に、東北でも栽培されている。

滋賀の地酒でよく使われる酒米たち

滋賀の地酒を飲んでいると、もちろん山田錦や雄町をたくさん目にするものの『吟吹雪』そして『渡船』という品種もよく目にします。

吟吹雪山田錦×玉栄をかけ合わせて造られた品種。
柔らかい印象の味わいが特徴
滋賀県農業試験場(現 滋賀県農業技術振興センター)によって開発。
渡船一度は途絶えてしまった滋賀の在来種。
比較的心白が大きく、高精米が可能で深みのある味わいが表現できる酒米
ほんの一握りのお米から復刻栽培された、というのが驚き。
玉栄大粒で心白の発現率は低いため高精米には向かないものの、熟成に向く独特の風味のある酒質になる。

下記は美冨久酒造の酒蔵見学に行った際に見せていただいた図。
こうしてみると、渡船は山田錦のおじいさんにあたる存在なんですね。

食用米を使った日本酒もある

日本酒の原料としては適していないといわれる食用米。
でも実は、食用米を使って作られた日本酒も存在するみたいです!

京都・白杉酒造の『コシヒカリ』を使った日本酒造りについて書かれたオンライン記事を見つけたので、共有です。
→ 全国でも珍しい、オール食用米の日本酒蔵!京都・白杉酒造の挑戦を追う | 日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」 (sake-times.com)

他にも、全国では食用米である『ササニシキ』や『ひとめぼれ』を使用した日本酒も造られているそう。
一味違う日本酒、いつか飲んでみたいものです。

こちらは食用米『ササニシキ』を使用して醸したお酒だそう。
どんな味がするのか気になります。↓

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まとめ

最近は酒蔵によるオリジナル品種の開発や、食の安全に関心が高まる中、減農薬・無農薬のお米を使用する蔵も増えており、酒米の研究も進んできているそう。

また『地酒』ということにこだわり地元産のお米を使用したり、地元の農家との契約栽培に踏み切る蔵元も珍しくないといいます。

酒米の品種や特徴をはじめ栽培方法のこだわりなどを知っていれば、よりあなたの好みに合った日本酒を見つけることができるかもしれません。

それでは、今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!
良い一日をお過ごしください。

参照:
全国でも珍しい、オール食用米の日本酒蔵!京都・白杉酒造の挑戦を追う | 日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」 (sake-times.com)

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